第一線で活躍する作家をお迎えして行われる日本文学科主催「作家特別対談」。
日本文学科では創作を学ぶこともできることから、年に2回、一般公開の形で作家特別対談を開催しています。2014年度に開始した作家対談にはこれまで、唯川恵氏(直木賞作家)、穂村弘氏(歌人)、中村文則氏(芥川賞作家)、角田光代氏(直木賞作家)、東山彰良氏(直木賞作家)、村田沙耶香氏(芥川賞作家)、小池昌代氏(詩人)、三浦しをん氏(直木賞作家)、平松洋子氏(エッセイスト)をお迎えしてきました。
1月31日(木)、純文学の重鎮、佐伯一麦さんをゲストに、文芸評論家であり日本文学科非常勤講師の池上冬樹先生が聞き役を務め、10回目となる対談が開催されました。学生だけでなく、熱心な佐伯ファンの方々にも足をお運びいただき、幅広い年齢層が集う対談となりました。
佐伯一麦さんは「私小説を生きる作家」といわれております。対談の冒頭で、「私小説」とは何かということについて、ご自身の実体験を交えながら教えてくださいました。佐伯さんは自然描写を大事にしているそうで、実際、佐伯さんの作品にはそういった描写が丁寧に書き込まれています。読んだことがある方は覚えがあるのではないでしょうか。
日記文学『麦の日記帖』について池上先生が質問された際には、日記文学の祖とされる紀貫之の『土佐日記』のお話や、日本文学において日記文学はどの位比重を占めるのかといったお話、永井荷風の『断腸亭日乗』のお話なども伺うことができました。
時折温かい笑いもあふれる中、会場には佐伯さんのひと言ひと言を聞き漏らすまいという空気が充満し、文学に対し真摯に向き合う姿勢に感銘を受けた方も多かったようです。
古今東西を通じて、著名な作家や作品が登場した今回の特別対談。大変勉強になりましたよね。最後には創作を学ぶ学生たちに佐伯さんがアドバイスもくださいました。対談終了後には恒例のサイン会も開催され、こちらも大盛況でした。
この度も多くの方々にお越しいただき、会場は満席となりました。
作家特別対談は今回で10回目となる節目を迎えることができました。これもひとえに、足を運んでくださった皆さまのおかげです。皆さま、ありがとうございました。ご好評いただいた作家特別対談は今回をもって一区切りつけることになりました。これまでゲストとして宮城学院にお越しくださった作家の皆さまに、心より感謝申し上げます。そして、池上冬樹先生、本当にありがとうございました。
それではまた、別の機会に。