夜に雪が舞った12月7日(水)、日本文学科では第6回目となる作家特別対談を開催いたしました。2014年度に開始した特別対談は、年に2回開催され、これまで、唯川恵氏(直木賞作家)、穂村弘氏(歌人)、中村文則氏(芥川賞作家)、角田光代氏(直木賞作家)、東山彰良氏(直木賞作家)をゲストとしてお迎えしてきました。
宮城学院が誇るステンドグラスが美しい礼拝堂は、アドベントを迎え、クリスマスの装飾が施されています。荘厳な雰囲気に、クリスマス特有の煌きが加わり、一段と輝きを増しています。その礼拝堂で開催された特別対談には、この度も学内学外問わず大勢の方々がお越しくださいました。色々な世代を集めた作家特別対談。今回のゲストは、今年、『コンビニ人間』で芥川賞を受賞された村田沙耶香氏です。
礼拝堂は今回も満席となり、注目を集める対談となりました。
村田先生はとても透明感溢れる作家さんで、やわらかく、優しい空気をまとってらっしゃいました。なるほどこのような世界もあったのか!と思ってしまうような作品を書かれる村田先生。世間に蔓延する「常識」や「価値観」といったものが、果たして正しいものなのか。誰もが当たり前だと思い込んでいるであろう習慣、ルール、経験などが、本当に必要なものなのか。特別対談に耳を傾けてくださった方の中には、自分が当然だと理解していた何かが揺さぶられた方もいるかもしれません。
対談では、『コンビニ人間』だけでなく、『殺人出産』、『消滅世界』、『しろいろの街の、その骨の体温の』といった、村田先生の代表作に関するお話をたくさん伺うことができました。先生のコンビニエンスストアでのアルバイトのお話もあり、芥川賞を受賞された時に常連のお客さんたちがどのような反応をされたか、といったエピソードもお話してくださいました。どうして作家を目指したのか、執筆はどのようなペースで行なっているのか、新刊はどのような感じになりそうなのか、といったことも教えてくださいました。
池上先生と村田先生のやり取りも面白く、作家対談を開催するたびに思うことですが、あっという間の90分でした。村田先生の作品は、女性という性を真正面から描いているものが多く、宮城学院女子大学の学生たちは感じ入ることが多かったのではないでしょうか。先生ご自身からも女性の性についてのお話もあり聞き入ってしまいました。
特別対談終了後には恒例のサイン会も開催。次から次へと先生の作品を大事そうに抱えた方々が並んでくださいました。サイン会に並ぶ方々の年代も実にばらばら。丁寧にサインをしてくださり、ファンの方ひとりひとりと言葉を交わされる村田先生に、寒さも忘れたひとときとなりました。
池上先生、村田先生、本当にありがとうございました。そして、作家特別対談に足を運んでくださった皆さま、皆さまのおかげで盛会となりました。初めてお越しくださった方々も多く、お母様と一緒に参加した学生も何名か見かけました。心より感謝申し上げます。
さて、作家特別対談第7弾は来年初夏頃開催予定です。どうぞ、来年もご期待ください。