宮城学院女子大学学芸学部日本文学科では、第一線で活躍される作家さんをお招きし、年に2回、一般公開という形で作家特別対談を開催しています。司会および聞き役は、文芸評論家として新聞・雑誌に書評を発表され、様々な文学賞の予選委員・下読みを担当される池上冬樹先生(日本文学科非常勤講師)。
2014年度に開始した作家対談にはこれまで、唯川恵氏(直木賞作家)、穂村弘氏(歌人)、中村文則氏(芥川賞作家)、角田光代氏(直木賞作家)、東山彰良氏(直木賞作家)、村田沙耶香氏(芥川賞作家)、小池昌代氏(詩人)、三浦しをん氏(直木賞作家)がゲストとしてお越しくださいました。学生だけでなく、学外からもたくさんの熱心な方々に足をお運びいただいている作家特別対談は、今回で9回目となりました。
関東甲信地方の梅雨明けが発表された6月29日、作家特別対談第9弾のゲストとしてお迎えしたのは、エッセイストの平松洋子先生です。
平松先生は2006年に『買えない味』で山田詠美氏の選考により第16回Bunkamuraドゥマゴ文学賞、2012年には『野蛮な読書』で第28回講談社エッセイ賞を受賞されています。
今回の会場はC201教室になりました。日本文学科の学生だけでなく一般の方々もお集まりくださった、いかにも大学らしい階段教室をご覧になった平松先生は、「とても落ち着きますね」と仰ってくださいました。
池上先生が「平松洋子は美味しい」と今回の対談にお言葉を寄せてくださった通り、今回の対談では美味しいエピソードがたくさん登場しました。お腹が空きました、とサイン会で平松先生に訴える?学生もちらほら。美味しいだけでなく、先生の食文化に対する丁寧な姿勢もまた魅力的でしたね。
どうして作家になったのかというお話は学生時代まで遡り、平松先生が大学生だった頃のお話も伺うことができました。参加された学生の皆さん。先生のお話に耳を傾けていて、とても勇気付けられたり、励まされたりしませんでしたか。「天職」についての平松先生と池上先生のお話もまた然り。人生のひとつの道標になるようなお話もしてくださいましたよね。
電子レンジや炊飯ジャーがご自宅にないというお話も、さすが平松洋子先生と頷いてしまいました。先生の暮らし方は美しくて豊かで・・・そしてやっぱり丁寧で、素敵だなと思いました。
文章を書く時に平松先生が気をつけてらっしゃることや、影響を受けた作家についても教えてくださり、日本文学科の学生に向けてアドバイスもくださいました。
最後には質疑応答の時間も設けてくださり、平松先生はここでもやはり丁寧に答えてくださいました。会場となった階段教室は、最初から最後まで穏やかで柔らかい空気に包まれました。
平松先生は本当に素敵な方でした。
宮城学院女子大学学芸学部日本文学科主催、作家特別対談。次回はついに10回目となります。晩秋にまたお会いできればと思います。
平松先生、この度は貴重なお時間をありがとうございました。