澄みきった冬晴れの日となった12月15日(金)、日本文学科では直木賞作家の三浦しをん氏をお迎えし、宮城学院が誇る礼拝堂にて作家特別対談を開催しました。
作家特別対談は2014年度にスタートし、年に2回、一般公開という形で開催しています。今回で8回目となり、これまで、唯川恵氏(直木賞作家)、穂村弘氏(歌人)、中村文則氏(芥川賞作家)、角田光代氏(直木賞作家)、東山彰良氏(直木賞作家)、村田沙耶香氏(芥川賞作家)、小池昌代氏(詩人)をゲストとしてお招きしてきました。
三浦先生をお迎えした礼拝堂は喜びにわきました。
一番前からびっしりと埋まった席、先生の入場と共に自然と起こる拍手、サイン会用の整理券を求める長蛇の列、即完売した『舟を編む』、身を乗り出して話に耳を傾ける学生たち・・ この日、礼拝堂で起こっていたありとあらゆることが、三浦しをん先生の人気を物語っていたのではないでしょうか。
司会進行を務める池上冬樹先生も嬉しそう。お二人の仲の良さがよくわかる対談でした。親しい関係だからこそ広がっていく話題の数々。池上先生の質問に三浦先生はすべて率直かつ楽しげに答えてくださり、会場からは絶えず笑い声が。身内ネタのようにおふたりだけで盛り上がるわけではなく、会場全体とも常に話題を共有できるよう気を配ってくださいました。距離感を感じさせない対談だったと思います。
映画化もされた『風が強く吹いている』は箱根駅伝を描いた三浦先生の作品ですが、本学の学生にも非常に人気があります。先生はその設定資料(もちろん三浦先生作成)をお持ちくださり、なんと公開してくださいました。非常に細かく書き込まれた大きな設定資料に、前の席に座った方々は思わず前のめりに!
日本文学科で小説の書き方を学んでいる学生も多いことから、おそらく先生はお持ちくださったのかもしれません。貴重な瞬間でした。三浦先生、ありがとうございました。
三浦しをん先生といえば『舟を編む』を真っ先に思い浮かべる方が多いでしょうか。岩波書店が10年ぶりの改訂新版となる『広辞苑』第七版を刊行されるそうです。先生は大ニュースとして、興奮気味に話してくださいました。さすが『舟を編む』を書かれた方だと思いませんでしたか。『広辞苑』の予約特典の話(三浦先生書下ろしエッセイ「広辞苑をつくるひと」が頂けます!詳細は岩波書店のホームページにて。)も聞いて、予約したいと思いましたよね。辞書の魅力について話してくださる先生のお姿を見て、辞書が引きたくなった方も多数いたかもしれません。
数々の抱腹絶倒なエピソードを惜しげもなく披露してくださったり、池上先生との対談中、豪快に楽しそうに笑う三浦しをん先生に、こちらまで明るく前向きな気持ちになりました。対談のアンケートには「本当に楽しかったです!」という文章が溢れ。三浦しをん先生は、研究者のようにものごとを追及され、好きになったらとことんで、笑い方も気持ちよくて、さっぱりした性格で、大胆なところもあって、周囲にはとても気を遣われる、非常に魅力的な方でした。
日本文学科主催作家特別対談第8弾。三浦しをん先生をゲストに迎え、会場の礼拝堂は満席となりました。寒い中お越しくださった皆さんに感謝申し上げます。池上冬樹先生、そして、三浦しをん先生、本当にありがとうございました。作家特別対談第9弾は2018年の6月頃に開催予定です。引き続きご期待ください。