11月26日(土)、宮城学院女子大学学芸学部日本文学科では、宮城学院創立130周年および日本文学会設立70周年を祝し、特別公開シンポジウム「怪異と幻想の日本文学」を開催いたしました。学内外およそ100名ほどの方がシンポジウムにおいでになりました。
発題者は本学名誉教授 犬飼公之氏(古代文学)、山形大学名誉教授 菊地仁氏(中古・中世文学)、本学教授 伊狩弘氏(近代文学)の三氏。深澤昌夫学科長(近世文学)が司会とコーディネーターをつとめました。
当日は、古事記、日本霊異記、万葉集、今昔物語集、百鬼夜行絵巻、雨月物語、芥川龍之介、泉鏡花、宮沢賢治、江戸川乱歩、村上春樹……などなど、日本文学を代表する作品や作家の名前が次々にあがりました。
発題者による講演(第1部)によって日本文学の豊饒の海に投げ込まれた参加者たちは、また、その後に続く熱のこもった討議(第2部)に心を深く心を奪われることになりました。
三氏による討議は、見事に絡み合いながら新たな話題を生み出し、そしてまた、さらなる疑問を生み出していきました。とても数時間で結論が出るようなテーマではありません。しかし、まあ、なんて面白いんでしょう!
さまざまな切り口から「怪異と幻想の日本文学」に魅せられ、溺れ、揺さぶられ……気がつけば辺りは薄暗くなっていました。三氏によって導かれた「もう一つの世界」から再び現実の世界に戻った瞬間は、ある種「喪失感」を伴うものとなりました。アンケートにも、「もっと暗くなるまで続けて欲しかった」という声がたくさん寄せられました。
古代から現代まで脈々と受け継がれ、私たちを魅了してやまない「怪異と幻想の日本文学」。
その一端に触れることができた今回の特別公開シンポジウム。皆様のおかげで盛会となりました。
美しい秋晴れの午後、このような実り多いひと時を共有できたことを幸せに思います。参加された皆様、ありがとうございました。次回もご期待ください!