「卒業生は今」の五回目は、中学校で英語教師をしている鈴木祥子さんです。
(1)英語科教員としての現在の仕事
現在は中学校2年生と3年生を担当しています。
「自分は何のために英語を教えるのか」、「生徒にどのような力をつけさせたいのか」ということは常に考えながら授業の計画を立てています。基礎・基本の定着と英語を楽しいと感じてもらえるよう、毎授業アクティビティを取り入れる工夫をしています。また、放課後等を利用して、ALTの先生と1対1で会話をすることのできるEnglish Speaking Lounge (ESL)を開設しました。学生時代に利用していた英文学科のESLを参考にさせていただきました。
英語を使ってコミュニケーションを図る楽しさを感じてもらえるような授業づくりをするためにこれからも頑張りたいと思います。
(2)英語教員を目指した理由
小学校2年生の「生活」の時間、みんなで校庭に生えているタンポポを摘んだあと、担任の先生が調理室で天ぷらにして食べさせてくれました。そのおいしさに感動したのと同時に、将来は「学校の先生」になろうと強く決心したのを覚えています。新しいことを知る楽しさを教えてくれる先生がとてもかっこよく見えたのです。それからも大好きな先生方にたくさん出会えたおかげで、「先生」になるという夢をずっと持ち続けていましたが、今中学校で「英語」を教えていることに自分でも驚いています。授業で友人が公立高校や私立高校の過去問題を解くなか、doesとdidの違いを教えてもらっていたのが中学3年生の冬です。英語が大の苦手で大嫌いでした。英語に興味を持ち始めたのは宮城学院高校2年生の時です。宮城学院女子大学英文学科の遊佐典昭先生が、おもちゃのお店、「トイザらス」の☆の中のRが逆さになっている理由。1つはそれがアメリカの子どもがよくする間違いで、小さな子どもたちに親しまれるお店になるようにという願いが込められているということ。もう1つはRを注意深く発音すると、Toys are us.(おもちゃは私たちにお任せください)という意味があるということ。先生がこのような話を授業でしてくれた時、日本で暮らしていても生活の中には英語があふれているのだということに気付き、英語を勉強することが楽しくなりました。
(3)宮城学院女子大学での思い出
宮城学院女子大学英文学科に入学してからも、魅力ある先生方の楽しい授業を受ける度に英語が好きになりました。特に印象に残っている授業が2つあります。1つ目はAnne Thomas先生の「writing」の授業です。アメリカの学生とメールでお互いの国の生活や文化についてやりとりをしました。2つ目はJohn Wiltshier先生の「イギリスの生活と文化」です。教育、スポーツ、飲み会の文化等、日本の生活様式との違いにおもしろさを感じました。この2つの授業を受け外国での生活を経験してみたいなと思ったことが交換留学を決めたひとつのきっかけです。
英文学科の図書室で友達とご飯をたべながら話をしたり、夜遅くまで卒業論文を書いたり、教員採用試験の勉強をしたことも大切な思い出のひとつです。
(4)オーストラリアへの留学について
大学3年次にオーストラリアのクイーンズランド工科大学に在学留学*をしました。各国からの留学生と英語で話をする度に自分のスピーキング力の乏しさに焦りと悔しさを感じたことを今でも覚えています。教室での授業だけではなく、クラスメイトと先生と街のバーに行ってテキーラを飲んだり、公園でバーベキューをしたり、先生が様々な場面で英語を話す機会をつくってくれました。オーストラリアでできた友達やステイ先のホストマザーとは今でも交流があり、もっと英語を話せるようになりたいという向上心にもつながっていると感じます。
*在学留学
/www.mgu.ac.jp/main/educations/international/index.html
鈴木祥子さん
宮城学院高等学校卒業、2015年宮城学院女子大学英文学科を卒業、現在宮城県山元町立山下中学校教諭。
「卒業生は今」これまでの記事
卒業生は今 [2] IKOMA Language School (シンガポール)福井瑞乃さん