2018年度 Bz 実践研究活動報告 No.4(石原ゼミ)

現代ビジネス学科の石原慎士教授(マーケティング論)が担当する「実践研究」ゼミナールでは、石巻市の製菓事業者および石巻フードツーリズム研究会と連携し、石巻地域で受け継がれてきた菓子をテーマとする「石巻お茶菓子プロジェクト」に着手することになりました。県下第2の都市である石巻市は、第二次世界大戦後の1950年代には約90軒の地場の菓子店が存在していましたが、東日本大震災後は市内中心市街地まで津波が流入した影響もあって、20数軒まで減少しています。本プロジェクトでは、同市の菓子業界の活性化に寄与するため、地域で育んできたお菓子の価値を見つめ直すとともに、現代の消費ニーズに適応した商品を産学連携体制で開発していくことを目指しています。

6月6日(水)に石巻市の菓子店「萬楽堂」で開催された学習会では、ゼミに所属する学生たちが市内菓子店の経営者や職人さんから「がんづき(膨張しないタイプ)」と「ちゃきん」の作り方や製造技術に関するレクチャーを受けました。「がんづき」は、東北各地では蒸しパンタイプのものがスタンダードですが、石巻地域では「しっとり」「もっちり」「ねっとり」としたタイプが愛好されてきました。「萬楽堂」の高橋美江社長にご指導いただいた「がんづき」に関するレクチャーでは、「ただ単にレシピ通りに材料を混ぜるだけではなく、季節や湿度に応じて水分を調整する必要がある」といったプロならではの技術について学ぶことができました。

また、「加藤菓子店」の加藤喜美雄社長から受けた「ちゃきん」に関するレクチャーでは、調理時に使用する銅板について「熱が均等に伝導したかどうかを見極める必要がある」、「油が銅板に馴染むように手入れをすることが求められる」といった技術的な指導を受けました。

今後、石原ゼミの学生たちは、地場菓子のプロモーションを図るとともに、マーケティングの理論を適用しながら若い人々にも受け入れられる商品を開発していく予定です。