成田ゼミでは、市村高志さん(Tomioka.Connection.Fellowship共同代表)にご協力いただき、8月5~6日の2日間、福島県富岡町などでフィールドワークを実施しました。
2011年3月11日14時46分、東日本大震災が発生しました。この震災は震源の深さ24km、マグニチュード9.0、国内最大震度震度7と日本観測史上最大級の地震となり、日本全国に大きな衝撃と被害を及ぼしました。今回フィールドワークを行った福島県では、地震と津波の被害のみならず、福島第一原子力発電所で大きな事故が起こり、福島県内が多大なる被害を受けました。現在でも福島県内では避難を余儀なくしている方、自宅に帰れないという方が多くいます。
今回は市村さんに事前レクチャー(「富岡町からの広域避難とは:避難当事者の視点から」、2024年8月1日)していただいたうえで、福島県南相馬市、浪江町、双葉町、大熊町、富岡町を視察しました。
【1日目】
1日目の最初に訪れた場所は、南相馬市の小高区です。小高区の街中は、車で移動していても家に住んでいる気配がなかったり、人が歩いている様子がなかったりと街がとても静かでした。小高駅にも足を運んだのですが、駅にもあまり人はいませんでした。
次に訪れた場所は、震災遺構・浪江町請戸小学校です。請戸小学校は震災当時93名の児童が在籍していました。当時在校していた2~6年生の児童は、教職員とともに学校から避難し、津波の難を逃れました。その後原発事故により長期避難を経て、学校としては再開できなかったものの、震災遺構としてその役割を変えました。請戸小学校の地震や津波での甚大な被害を見て、地震や津波は頑丈であるはずの建物の姿を一瞬にして変えてしまうものなのだと強く感じ、地震・津波の恐ろしさを改めて実感しました。
次に訪れた場所は、東日本大震災・原子力災害伝承館です。この施設は、福島県で起きた地震、津波、東京電力福島第一原発事故という複合災害の実態や復興に向けた歩みを展示しています。その他にも、被災された住民の方による語り部講話も実施しています。この施設を見学し、私は原発事故についてあまり詳しく知らなかったのですが、事故が起きた時にどのような対応がされたのかまた、原発事故からの復興について知ることができ、それと同時に原発事故の恐ろしさを実感しました。
【所感】
●このフィールドワーク全体を通して、東日本大震災での被害や地震・津波・原発事故の恐ろしさを改めて実感しました。実際に被害のあった地域に足を運んでみたりお話を聞いたりすると、ニュースやインターネットで聞く話とはまた違った印象を受けました。今回行った場所は、まだ復興途中で人の気配をあまり感じない地域や第一原発の工事車両などが多くみられ、普通の日常とは程遠い現状なのだと感じました。また、今回案内していただいた市村さんにお話を伺うと、その地域に住んでいた方のリアルなお話を聞くことができ、世間が認識している原発事故の話と住んでいた方の実際の話ではギャップがあると感じ、とても興味深く、このような実際のリアルな話を残していく必要性があると強く感じました。そして、この震災の時にどのような行動をすることが最善策だったのか、そこから同じような災害が起きた時にどのような行動をとれば良いのか深く考えることができ、とても貴重で有意義な経験となりました。
お忙しい中、今回のフィールドワークで案内をしてくださった市村さんには、心よりお礼申し上げます。貴重なお話や経験をさせていただき、ありがとうございました。
(2年:渡邉莉穂)
※2日目の記事はこちら→福島県富岡町などでフィールドワークを実施②【ビジネス実践実習(成田ゼミ)】