みちのく古寺巡礼『四寺回廊』に関する調査②【ビジネス実践研究・ビジネス実践実習(渡部順一ゼミ)】

渡部順一ゼミでは本年度「みちのく古寺巡礼『四寺回廊』」を取り上げて、ビジネスの視点から調査を行っています。「四寺回廊」とは、9世紀、仏法を求め日本列島、そして中国大陸を旅した一人の僧・円仁にゆかりのある風景豊かな巡礼の地に築かれた松島の瑞巌寺、山寺の立石寺、平泉の中尊寺と毛越寺四寺の四つの聖地を言います。17世紀、俳人芭蕉はこの聖地を巡拝し、日本を代表する紀行文「奥の細道」が生まれました。
2021年11月10日(水)、渡部順一ゼミの現代ビジネス学科3年生8名と2年生6名と渡部順一教授の計15名にて、「四寺回廊」とそれに関連する地域ビジネスの現状について調査するために、「瑞巌寺」の立地する松島町の調査を行ないました。調査を企画した学生からは、「東日本大震災から10年が経った今、被災地である松島に訪れることで震災前とは違った視点から松島を観光できる」との意図が受講者に事前公表されており、その意図に添って、事前学習と現地調査を行い、最終的に報告書としてまとめられています。
現地調査は、まず初めに、松島町産業観光課観光班 班長 酒井文明様より、「松島町観光の現状について」と題して、ご講演をいただきました。

松島町酒井様のご講演(パノラマハウス(まちづくり支援施設))

松島町酒井様のご講演(パノラマハウス(まちづくり支援施設))

次に、松島町商店街(瑞巌寺を含む)の現地調査を行ないました。最後に、本学OGの天野京子様が寺庭(お寺の奥様のこと)を務める円通院を訪れて、3年生と2年生がグループを組んで松島町の主な観光名所として視察をしました。

感染症対策をして、3年生と2年生がグループを組んで円通院調査

感染症対策をして、3年生と2年生がグループを組んで円通院調査

酒井様からの講演を通じて「観光客の入込数がコロナウイルス感染症流行以前の2019年は300万人だったにもかかわらず、2020年には160万人で約半数まで減少し、今年度はこれを更に下回る見込みである」ことを知り、学生からは「コロナウイルス感染症による影響は想像していたよりも大きいものだった」との報告がなされました。また、「松島の街は、全体的に私が想像していたよりも観光客が多く、街が賑わっていました。修学旅行生、若いカップル、友達、老人夫婦、子供連れ、ペット連れなど、本当に年齢層が広く、様々な観光客がいました。私は勝手に、松島は老人が景色を楽しんだりしてゆっくり過ごすことが多いという偏見を持っていましたが、実際は若い観光客が想像以上に多かったです」との報告もなされています。
3年生と2年生のグループを組んでの調査に対しては「2年生と直接関わる機会がこれまでになかったため最初はぎこちなく始まったが、円通院を一緒に拝観し、おみくじなどをして交流を深めることができた。その後バスの集合時間までは2年生と松島町を散策しながら、大学生活についての話しや私生活の話しを通じて楽しく有意義な時間を過ごすことができた」といった感想があり、充実した学外実習となったようです。

なお、2年生6名は、2021年12月15日(水)に2名ずつ3グループに分かれて調査報告会を行っています。「Go To Travel松島キャンペーン」、「教育旅行」、あるいは、「店舗巡り、特に、食事処」などの調査が報告され、東日本大震災から10年を経て、今後の松島、特に、観光のあり方についての活発な議論が交わされました。

調査報告会(ビジネス実践実習)

調査報告会(ビジネス実践実習)

 今後、報告書と報告会の内容は、酒井様と共有されて、松島町の産業観光振興の一助としていただく予定です。