2023年度「第7回キャリアアップセミナー」[キャリア支援課]

毎年、学生達に多くの学びを提供してくれる「キャリアアップセミナー」。今年度は、特別編1回を含む全9回を予定しています。

第7回 キャリアアップセミナー

講師:仙台ターミナルビル株式会社 ホテル事業本部 ホテルメトロポリタン仙台 営業統括Gセールスマネージャー 高橋 香 氏

 

第7回キャリアアップセミナーはホテルメトロポリタン仙台にお勤めの 高橋香さんのご講演です。去る11/20(月)に本学大学講堂で開催しました。

 

仙台ターミナルビル株式会社は、ホテルメトロポリタン仙台や、S-PALなどを経営しています。社員お一人お一人が自ら学び考え成長し、自分も会社も成長することで地域に貢献することを企業理念としています。ホテル事業は宿泊グループ、レストラングループ、ブライダルグループ、調理グループ、宴会・営業グループ、企画グループの6つのグループに分かれており、高橋さんは営業を担当されていらっしゃいます。ホテルの営業とは、企業・行政に定期的に訪問し、会議や会合などで継続的に利用していただくよう、お客様との信頼関係を築くことだそうです。主な目的は会議や会合でも、それに伴って宿泊やレストランをご利用になるお客様もいらっしゃるため、高橋さんはトータルで提案をします。ホテルは上手くいって当たり前。お客様の期待以上の結果を出さなければ満足していただけたとは言えません。ご利用後、あえて良くなかった点を詳しくお尋ねするそうです。次回また快適にご利用いただくためのコミュニケーションだそうです。

 

宿泊業界はコロナ禍で大変な打撃を受けましたが、現在はコロナ以前同様にほぼ回復しています。しかし大きく違うのは、インバウンド、つまり訪日外国人については、中国一極集中から、台湾・韓国・米国なども増え、分散化しているのが特徴だそうです。外国人の方が訪問する地域は、東京が最も多いですが、東北はまだまだ知名度が低く、官民一体で取り組みにより仙台空港の直行便を増やすなど、仙台ターミナルビルでも、東南アジアの現地のエージェントに直接インバウンドセールスを行っているそうです。

 

高橋さんは大学卒業後、パソコンスクールに就職をしたそうですが、「仙台勤務」「転職が無い」など条件だけであまり深く考えずに就活をしてしまい、半年で退社してしまったそうです。受付・窓口・営業が主な仕事だったそうですが、電話やチラシ配りなどをして目標値のお客様を獲得しなければならず、毎日泣いて出勤をしていらっしゃったそうです。辛い毎日がとてもリアルに想像できました。

 

その後、仙台国際ホテルに転職をした後に、上司の方に「向いていると思うから、営業をやってみないか?」と声を掛けられたそうです。前職の経験から「営業」と聞いただけで拒否反応があったそうですが、なぜか上司の方には何度も勧められ、今思うと上司の方は、自分の適性を見抜いてくださっていたのだな、導いてくださったのだな、と思ったそうです。人前で話すことが苦手で口下手だった高橋さんが、今も営業がとても面白くて止められないのは、お客様が求めているものをしっかりと聴いて、お客様に信頼していただき仕事を任せていただくことができたから。営業に向いている人は、話し上手ではなく聴き上手。という言葉も印象的でした。

 

コロナ禍になって、仙台国際ホテルは高橋さんが在籍していた宴会部門の終了を決断しました。皆さん全く違う部署に異動になり、高橋さんも仕事が変わっても頑張ろうと思っていたそうです。そんなある日、一度しか面識のないホテルメトロポリタン仙台のスタッフの方からお電話があり、「ニュースで仙台国際ホテルの宴会部門の終了を知りました。業界の様々なところから高橋さんの評判を聞きました。ぜひ当社に来ていただけませんか?」というスカウトがあり、とても驚いたそうです。20年勤めた仙台国際ホテルへの恩義も感じ、新しい挑戦をすることに不安を感じながらも、やってみよう、必要とされているところで頑張ってみようと思い、転職を決意したそうです。

 

仙台国際ホテルは、その立地場所が本学の移転前の跡地でもあり、その頃から高橋さんにはいつもたくさんお世話になっていました。本学の教職員にも高橋さんのファンがとても多いです。転職をなさったと伺った際はとても驚きましたが、大好きなホテルの営業のお仕事を続けることができて、また今回こうして本学にお越しいただくことができて、本当に良かったと思いました。高橋さんにとってこの講演は大きなチャレンジだとおっしゃっていましたが、私達も高橋さんの数々のチャレンジを伺うことができて、大変勉強になりました。

 

【学生の声】
・コロナ禍で不安定だったように、観光業や宿泊業は、情勢に左右される仕事です。しかし、外国人観光客が増えつつあるなか、今や宿泊業界は必要不可欠な存在です。不安定かもしれませんがやりがいは充分にあると考えます。ホテルの営業は、会議や会合などで継続的に利用してもらうために、ホテル側としてサポートをする仕事だと知り、客とのコミュニケーション、信頼性が大切だと考えました。お客様のニーズに応えること、プロと相談すること、大変な仕事ですが、お客様に本当に喜んでもらえたときのやりがいが大きい職業であると感じました。高橋さんもそうであったように、就職してから向いていない、と分かることもあります。1度きりのチャンスではないので、就職の失敗を恐れず、挑戦してみることが大事だと考えました。また今後の大学生活で、私が何をやりたいかを知る、知るために自分のことをまずは知る、ということをしていきたいと考えました。(現代ビジネス学科2年生)

 

・私は今もまだ将来何をしたいか見つけられていなくて、もう20歳になるのにどうしようと思っていましたが、高橋さんも同じであったと聞いて少し安心しました。でもその状況を変えていったりやりたいことを見つけるには自分を知ることアンテナを高く張ってその出会いを逃さないということと、色んな人と関わって色んなことを知ることが大事だということが分かりました。私は営業には少し興味があるため、営業には「聞く力が大事」とアドバイスを頂いてこれからその場面に立ち会った時に意識していこうと思いました。人との関わりは、自分の人生の手助けをしてくれると高橋さんの話を聞いて改めて思いましたし、そのおかげで高橋さんは転職をして今の職に就けているので、説得力があって心を動かされました。同業他社から仕事の成績を認めてもらえる高橋さんの仕事ぶりはすごいものなのだろう思いました。私は失敗が怖くてまだチャレンジするということができていなかったですが、成功も失敗も財産でありトライすることで世界が広がると聞いて、できることの幅が広がって仕事もプライベートも豊かで充実したものになるのなら、失敗を恐れずにチャレンジして成功も失敗も財産にして行こうと思いました。(人間文化学科2年生)

 

本講座は、前期5回と後期4回、月曜日16:20~17:50に、本学大学講堂にて公開講座として開講いたします。興味を持たれた方はどなたでもお気軽にお問い合わせください。

 

<問合せ先>
キャリア支援課
022-279-4957/career-c(アットマーク)mgu.ac.j