2017年12月10日(土)、河北新報社1階ホールで「河北みらいプロジェクトセミナー」を開催しました。このセミナーは、河北新報社が宮城県内の高校生と一緒に地域課題を解決する「河北みらいプロジェクト」の一環で、「『宮城のみらい』をつくる“女子力”を考えよう」をテーマに、将来を担う高校生女子34名と社会で活躍する本学OG4名が“女子力”について考え、語り合いました。
2017年1月、河北新報社が宮城県内の高校生6万5000人に実施したアンケート調査(興味・関心や将来の夢、宮城の魅力などについて)から、高校生女子の意見だけを抽出。イントロダクションとして東北放送・藤沢智子アナの進行のもと、今の高校生女子の考え方を紐解きました。日頃の関心事は、「趣味」「ファッション」といった項目に続き、「進路」も上位に。「看護師」「保育士・幼稚園教諭」「教師」のような医療・教育関連の職業を、将来の目標として挙げる生徒が目立ち、将来のために「ボランティア」や「社会貢献」を、今のうちに経験しておきたいと考えている生徒も多いようでした。
【第1部】本学OGによるトークセッション
鈴木未来さん(イベントやウェディングの企画運営、マナー講師)、高橋梓さん(幼稚園教諭)、白崎葉子さん(管理栄養士)、佐藤友美さん(伝統工芸を用いたインテリアデザインを企画提案)のOG 4名が「今役に立っている“女子力”について」や「宮城の『みらい』をつくる“女子力”」などをテーマに、語り合いました。
「内面が整っている女性は、誰からも好かれ、輝いています。そして『自分の未来の扉は自分で開ける』という意気込みを持って、自分らしく、自分にしかできないことを模索する女性が増えることが、宮城を元気にすることに繋がるのではないでしょうか(鈴木さん)」、「『見えないものを見る力』を大切にしています。保育の中では、子どもたちの気持ちや考えを察することが重要だからです(高橋さん)」、「高校生のころから今の職業を目指しており、『時期を見極めた判断をし、決断する力』、『物事をしなやかに考え、受け止める力』は現在も大きく役に立っています(白崎さん)」、「宮城県にはまだまだ女性が活躍できるシーンがたくさんあり、女性の目線で新たな魅力を見つけていくことが大切。女性ならではの視点が未来を変えることもあります(佐藤さん)」など、各OGからの言葉に、参加した生徒たちは耳を傾けていました。
【第2部】グループごとのワークショップ
4グループに分かれて、各々に設けたテーマに沿って社会人の先輩と生徒たちで議論し、どのような“女子力”が「宮城県のみらい」をつくるのかを考えます。生徒たちは、緊張しながらも自分の考えや意見を積極的に発言し、活発な議論が行われました。 各グループが議論の中で「“女子力”=人間力」を磨くことが大切であり、それが「宮城のみらい」をつくることに繋がると、再認識しました。
グループA 【テーマ】宮城の企業がもっと元気になるために
「人間力」が大切で、周囲とコミュニケーションを取りながら、女性ならではの視点を活かしていくことが、パワーにつながるという意見がありました。
グループB 【テーマ】宮城をより子育てしやすい県にするために
子育てが「孤育て」になっている現状から、「相手の内面を読む力」を活かして、子育てに共感する人を増やすことが、「孤育て」を無くすことになるという提言がありました。
グループC 【テーマ】宮城を健康大国にするためには
メタボ人口が多いという宮城県の健康状態を知った高校生からは、食生活の大切さ・減塩の呼びかけが必要であり、「魅力的に伝える力」を磨く必要があるという意見がありました。
グループD 【テーマ】宮城の伝統・文化を次世代に伝えるために
女性ならではの視点で、今ある宮城の伝統・文化を現代に合うようにアレンジすることが大切であり、次世代に興味を持ってもらうことに繋がるという意見が交わされました。
最後に本学の平川新(あらた)学長が、このセミナーを総括。「OGの方々は、自らの経験を語りながら、とても輝いていました。男女関係なく社会に貢献することが出来る今、大切なのは「人間力」ではないでしょうか。相手を思いやる力も人間力です。東日本大震災では、多くの方が亡くなりました。高校生の皆さんは被災地・宮城で育った人間として、思いやりを大切にしてください。何事にも積極的に取り組み、これからの人生を歩んでいってほしいです」と話しました。
セミナーに参加した生徒たちからは「“女子力”の考え方が変わった」「輝いている社会人の先輩の話をもっと聞きたい」といった前向きな意見が挙げられるなど、参加者にとって充実度の高いイベントになったようでした。
なお当日の様子は、1月8日付の河北新報朝刊に掲載されました。詳細はこちら。