今年の8月から東日本大震災の被災地の1つである、石巻市立大原小学校にて定期的に学習をフォローするボランティア活動を行うことになりました。
大原小学校は、石巻の牡鹿半島にある学校で、学校の目の前には海が広がり、校舎裏には森があるという大自然の中にあります。石巻市内から車で40分ほどかかります。連続して活動する場合には、石巻市内にあるビジネスホテルに泊まり込みで活動を行い、日帰りの場合は早朝5時頃に仙台を出発して大原小学校へ向かいます。児童数は27名で全学年仲が良く、休み時間は学年を越えて一緒に遊んでいます。
私はまず児童との交流を深めてから、勉強を教えていきたいと考えていたので、最初の1週間は連続で参加し、活動しました。子どもたちは初めて会った時、大学生に対して恥ずかしそうにしていて距離を感じました。私たちも、どう接したら良いのかが分からないという状況でした。しかし何度か回数を重ねていく内に名前を覚えていてくれて、授業中にもわからない部分を聞いてきてくれたりと心の距離も縮まってきました。授業のわからない部分の疑問が解決し、問題が解けるようになると「楽しい!」などと笑顔を見せてくれる場面もありました。私はこういった、子どもの「わからない」が「わかった」に変わり、ゆえに「楽しい」と感じさせることに、使命感と喜びを感じることができました。また休み時間では子どもたちの本当の素顔が見られるように思いました。休み時間になると子どもたちが「遊びましょう!」と誘ってきてくれます。私たちも一緒になりドッジボールやサッカーなどで元気よく外で遊びます。ドッジボールでは高学年は低学年を配慮して遊んでいる様子が見られました。怪我をしていて外で遊べない児童もおり、その際教室で独りぼっちになる事が無いようにクラスメイトが気遣っている様子も見られました。そして給食の時間。給食は合同給食で、1,2年生、3,4年生、5,6年生の2学年が一緒になり給食を食べます。子どもたちは皆、何かしらの嫌いな物があるようでした。しかし、「一口だけ、一個だけ食べてみよう」という教師の働きかけや、クラスメイト同士励まして食べられるという場面がよくありました。嫌いな物だから食べないではなく、苦手だけど少し食べてみようという頑張りが見られたように思います。
今回活動していて実感したことは、短期間で関わるのではなく、長期間で関わっていくべきであるということです。多くの震災関連のボランティアは短期集中型であり、メンバーも頻繁に変わってしまいます。しかしそれでは支援を受ける方も、人が変わるたびに気を使い疲れてしまうのだと思いました。子どもたちも、新しいボランティアが来ると1日目はぎこちないように見えていましたが、翌日には名前で私たちを呼んでくれ、日を増すごとに親近感を感じてくれるようでした。その日数が長くなるに連れ、秘密事や相談なども話してくれたり、という場面もありました。現在は授業が開始したため、以前のように長期間連続で活動することはできませんが、出来るだけ多く定期的に活動していきたいです。
食品栄養学科 4年 伊藤真奈美