小学生のためのサマーカレッジ2012 活動報告

【記録班に参加して】

 私たちは、記録係という子どもたちの様子を撮影する、他の学生とは違った立場から子どもたちと関わりました。

 サマーカレッジ当日を迎えるにあたって、サマーカレッジの副校長先生で、附属幼稚園の園長先生であり、情報教育の専門家の三浦友悦先生による事前講習を何度も受けました。
カメラの持ち方、撮影する上でのポイントを学びながら、様々な場面を撮影する機会を持ちましたが、実際に撮影しなければ分からないことが多くありました。特に、子どもたちが動く際にカメラを一緒に動かしてしまっては、ぶれてしまい、せっかくの場面を形として残すことができません。撮影しながらも、編集の事まで考えておかねばならないことも感じました。
前期末という忙しい時期に何度も集まり、練習を重ねたことはとても大変でしたが、今思うと、あの練習があったからこそ、安心してサマーカレッジ当日を迎えることが出来たのだと思います。

 撮影をするにあたり、サマーカレッジのスケジュールを正確に把握することで、子どもたちがどのように動くのかを予想し、動くことができました。ただ、7月31日の午前中に行われた遊歩道散策での撮影は本当に大変でした。事前に遊歩道を歩いていたとはいえ、走って子どもたちの前に先回りして、そして逆走して他のグループを撮影するなど、とてもハードでした。当日は交代制でカメラを回し、様々な角度から子どもたちを撮影しました。

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編集作業にはかなり多くの時間を費やしました。15分の作品を作るのに、何十時間もかかりました。4台のカメラで撮影したため、1台ずつ映像を確認することから始め、1日の出来事を目次として表し、確認しながら使用する映像を選びます。そして、その映像の声や音を消さぬように長さを調節し、違和感のないように微調整を繰り返しながら、他の映像とつなげ、1つの作品が出来上がります。

 子どもたちの、この表情を入れたい、ここの場面はどうしても入れたい、音楽はあと少しだけ前から入れたいなど、本当に細部にまでこだわりました。出来上がった時の達成感と感動は今でも覚えています。撮影の方法や映像作りの大変さ、子どもの反応を予想することの難しさなど、多くの事を体験を通して学びました。どうしたら映像から活動が見えるのかを考え、この映像で何を伝えたいのかを意識し、子どものありのままの姿を映し出すためには、ただカメラを向けるだけではなく、さまざまなことを考えながら撮影しなければいけない、と学びました。

 また、私たちは児童教育学科に所属していて、幼稚園や小学校の子どもたちとの関わり方を学んでいます。今回のサマーカレッジでは、日ごろ学んでいる知識を生かしながら、どうすれば子どもに思いきり遊び、楽しんでもらえるのか、どうしたら子どもに分かりやすく教えることができるのかを考えながら、子どもたちと関わりました。子どもに寄り添い、成長や学びを一番に考え、学びを強要するのではなく、遊びの中で学び、子ども自身が本当の意味で主体的に学び追求することが、教育の理想であると感じました。

 予想していないことも多く起こりましたが、子どもと協力し、工夫することで、柔軟に対応することの必要性を感じました。この2日間、普段の授業とは違う子どもたちの様子を見て、本当の教育とは何か、教師と子どもとの関係を含め、自分自身の教育観を問い直すきっかけとなりました。子どもの成長を間近で感じることができて、今後の学びにつながる貴重な体験となりました。

【地区後援会での活動紹介】

 記録班の代表として、8月26日の秋田地区後援会で発表させて頂いた事は、とても貴重な経験となりました。後援会では保護者の方々に見て頂くという事で、記録班としての活動、学生としてどう関わったのかなど、準備から当日までの様子を振り返り、自分たちの思いを再確認する事が必要となりました。自分たちの感じたことを伝えたいと思いながら、このサマーカレッジは多くの人の思いと願いによって支えられているという事に気づきました。

 記録班全員の思い、サマーカレッジに参加した人たちの思い、発表用DVDを作るのに指導してくださった三浦先生への感謝の気持ち、多くの方に活動を知ってほしいという思いなど、さまざまな人のたくさんの思いや気持ちを背負っての発表となるのだと思うと不安と緊張でいっぱいになりました。その中で、後援会の方や大学の先生、支援センターの方々に励まされ、支えられたことで、平常心で発表することが出来ました。保護者の方々は、表情豊かに聴いてくださったため自分たちの思いが届いているのだと知り、とても幸せな気持ちでした。

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私たち学生が保護者の方々と直接話をさせて頂く事で、自分たちがどのようなことに興味を持って取り組み、活動しているのか、そしてそれはどのような目的のためであるのか、伝える事が出来るのだと思います。そうした機会は本当に貴重で、目に見える活動だけでなく、私たちの思いや考えに触れて頂く事にも繋がります。それがまたたくさんの方に広がっていくことで、活動の本当の意味での成果が見えてくるのだと思います。

 これからも積極的に活動を行い、多くの方々と交流し、いろいろなことに触れ、さまざまなことを考えていきたいと思います。
サマーカレッジに参加し、そして後援会で発表させて頂いた事に深く御礼申し上げます。
ありがとうございました。

児童教育学科3年 丹治咲耶 引地リサ