キズナ強化プロジェクトで南アジア8カ国の青少年と防災をテーマに交流しました

さなぎプロジェクトのInternatioなる!?は2013年1月27日(日)、SAARC(南アジア地域協力連合)に加盟している計8カ国(インド、パキスタン、バングラデシュ、スリランカ、ネパール、ブータン、モルディブ、アフガニスタン)総勢70名以上の訪日団と交流会を行いました。

「いや、無理でしょ…」

MG-LACを通して、はじめにキズナ強化プロジェクト交流プログラム受入れのお話をいただいたときの感想です。1月下旬は英文学科3年が学生生活で一番厳しいとされる後期試験期間だったため、この時はこのように考えてしまうほど切羽詰った状況にありました。

また、70名を超える訪日団の受け入れは、プロジェクトとしても、私自身の経験としても前代未聞の大イベントでした。交流プログラムのテーマは「震災による風評被害の払拭」と「防災」、しかも交流プログラムの司会進行はすべて英語ということもあり、「いけるか?いや、いくしかないか」というようなギリギリのプレッシャーの中で準備を進めてきました。

交流プログラム当日の午前中は、初めに非常勤講師として英文学科に来て頂いているAnne Thomas先生にスピーチをして頂き、2011年3月11日以降、先生がどのように仙台で過ごされたのかを訪日団の方々に伝えて頂きました。「日本人の心の強さ」や「思いやり」など、日本人の私たちとは違った客観的な視点からお話を頂いたので、訪日団の方々も非常に関心を持って下さったようです。

続いて、私たちInternatioなる!?も防災についてプレゼンテーションを行いました。避難訓練の映像や○×クイズを取り入れるなど、出来るだけ訪日団の方々がシンプルに参加できるように工夫しました。その上で、「地震が起きた時、どう行動すべきか」というテーマのもと、全体を小グループに分けてディスカッションを行いました。

 

 

それぞれの国の建築構造や、地震に対する「慣れ」の度合い等、他国をベースに考えると、日本の防災知識でも有効ではないこともあると分かり、非常に勉強になりました。訪日団の方々には、各々の国で地震が起きたらどうすべきかについて真剣に考えて頂けたようです。

お昼は全員でおにぎりを作り、楽しく食べました。参加者全員がおにぎりを目にするのも作るのも初めてだったので、一つ一つ、作り方をレクチャーしましたが、英語でおにぎりの作り方を説明したことが、今回のプログラムで一番難しい部分だったかもしれません。午後は訪日団の皆さんによるアクションプログラムが開催されました。これは訪日団の方々が「帰国後、どのようにして日本で学んだことを国民に伝えるか」という事を発表するという内容でした。国のメディアを通して呼びかけたり、帰国後にプロジェクトを立ち上げるという国もあったりと、各国独自の工夫がなされていました。

 

 

今回の経験により気づかされたことは数え切れないほどあります。例えば、メンバーをどのように役割分担してどのようにチームをうまく機能させるのか…。短い準備期間の中で当日の運営を成功させるためには、必要以上に知恵を絞り努力をしなければなりませんでした。非常に勉強になりました。用意周到に準備をしたにもかかわらず、当日は行き当たりばったりの運営になりましたが、多少のアクシデントがあっても、運営メンバー全員が大まかな進行をしっかり把握していたお陰で、交流会は成功に終わりました。いえ、大成功でした。

 

交流会で知り合った訪日団の方々とは今も繋がりがあります。彼らは自国に戻った後、それぞれの手段で様々な情報発信をしているようです。現在も続く訪日団の方々との関わりは、私たちが今回の企画を実行した事の意義を感じさせてくれます。

 

 

 

最後になりますが、今回の企画を成功させられたのは運営メンバーを初め、多くの方々の支えがあったためです。手厚いサポートをしてくださった先輩方(4年生)、当日のプレゼンテーションに参加して下さったAnne Thomas先生、様々な場面で用いた英文原稿のチェックをしてくださったJohn Wiltshier先生、国際交流委員会の先生方、LAC担当の先生方、そして参加してくださった他学科の皆様、今回この企画に関わって下さった全ての皆様に心より感謝申し上げます。ありがとうございました。

英文学科3年 鎌田 光