【日本文学会】文学旅行2026に出掛けました

文豪ゆかりの地をめぐる日本文学会主催「文学旅行」。今年は7月4日(土)に福島県二本松市と郡山市を訪問しました。

仙台から車で約1時間半程でしょうか。二本松市に到着しました。バスを停めてすぐ視界に入ってきたのは「智恵子純愛通り」の看板です。二本松市は高村光太郎の妻、高村智恵子の出身地。生家と記念館があります。

教科書でも取り上げられる『智恵子抄』でお馴染みでしょうが、高村智恵子自身大変優れた芸術家であり、記念館にはそんな智恵子が残していった作品の数々が展示されています。

晩年、夫である高村光太郎に勧められて病床で作った美しい紙絵(ちぎり絵)は、どれもとても優しい色の組み合わせで、繊細ながらに温かさを感じ、智恵子は最期まで芸術家だったのだと思いました。

記念館を堪能した後、智恵子の生家を見学しましたが、こちらはこちらでいわゆる「豪邸」であり、太い柱に高い天井、部屋数の多さ、庭の立派さに驚きました。木造建築の良い香りが漂う生家には、今でも智恵子が住んでいそうな感じがしました。

「レモン哀歌」の一節を口ずさみながら次に向かったのは、智恵子の生家から車で10分。安達ヶ原の鬼婆伝説で有名な観世寺です。昨今の『鬼滅の刃』ブームで聖地巡礼の場所ともなった観世寺には、なんと鬼婆の住家であった岩屋や出刃包丁を洗った血の池などが残っています!それだけでもどこか怖いわけですが、観世寺宝物館には鬼婆伝説にまつわる資料がたくさん展示されていまして、これがまた怖い……..!!

 

木の陰から鬼婆がこちらを見ているのではないかとゾクゾクしながら、観世寺近くにある鬼婆のお墓「黒塚」にも寄りました。阿武隈川を眺めながら天に向かって高く伸びる杉の根元に鬼婆は眠っているそうです。なお、観世寺には松尾芭蕉や正岡子規も訪れています。

 

どことなく恐怖心を抱えたまま、観世寺近くにある安達ヶ原ふるさと村に立ち寄ることに。そこで出会ったのは様々な姿に化けた鬼婆のお土産の数々。鬼婆七変化に恐怖心は一気に消え失せ、愉快な気持ちになったのはここだけの話です。

二本松市の次は郡山市へ。郡山は久米正雄や宮本百合子をはじめ多くの文学者を輩出しています。

こおりやま文学の森資料館に到着し、ここからは昼食を含め自由行動の時間となりました。ラーメンを食べたりベーグルサンドを食べたりピザを食べたりと、各自昼食を楽しんだようです。

文学の森には郡山に関係のある作家たちについて丁寧な展示がおこなわれていました。資料館や文学館ならではの直筆原稿には毎度目を奪われます。ちょうど特別企画展として「隙あらば猫 mini 町田尚子絵本原画展」が開催されていたこともあり、資料館は大賑わい。町田尚子さんファンの方々はもちろん、猫好きの皆さんが集まっていたようです。

同じ敷地内にある久米正雄資料館は、神奈川県鎌倉市にあった旧久米正雄邸を移築・復元したもので、大層モダンで洒落た建物でした。久米正雄がお客さんを常に歓迎したという客間も、これなら歓迎したくなるであろうと思うほどの立派で綺麗な洋間でした。

徐々に夕方が近づき渋滞が増す郡山市内を移動し、郡山市立美術館へ向かいます。本日最後の目的地です。噂通りの大きく美しい美術館で、一番疲れていた時間帯にも関わらず、学生たちは楽しそうに見学していたように思います。「夢は叶えるもの ターシャ・テューダー 人生の軌跡展」が始まったばかりで、ターシャ・テューダーの世界にうっとりしました。イギリスの絵画が多く展示された常設展も大層素晴らしかったです。

今年の文学旅行も予定通り出発し、予定通りの時間に大学に戻りました。
それぞれの滞在時間が足りなく感じるほど、この度も充実した文学旅行だったなと思います。

さて、来年はどこに行きましょうか。