方言アクセント調査を行いました

rifu2025

日本文学科2年生の選択必修科目「日本語学演習ⅠA・ⅡA」では、日本語音声の実態をテーマとして、ことばの調査実習を行っています。

この授業のなかで毎年実施しているのが宮城県内での方言アクセント調査です。実際に現地に足を運んで地元の方から聞き取りを行い、録音したデータを繰り返し確認しながら、特徴を考察していきます。

今年は、受講生のなかの「宮城アクセントチーム」メンバー7名と、卒業論文で宮城県方言アクセントを研究している4年生の学生1名が参加して、利府町文化交流センター「リフノス」を会場に実施しました。

2025利府実習6宮城県内では、たとえば「雨(アメ)」と「飴(アメ)」を、それぞれ音の高低の位置(アクセント)を変えて発音し、言い分けてきた地域が県北部に多くあります。一方、仙台市から県南部の地域を中心に、高低の配置に決まったパターンがなかったり、どちらの語も低く平らに発音される例があります。このことから、県南部などには、アメ(雨)とアメ(飴)、カキ(柿)とカキ(牡蠣)などで、それぞれアクセントによる意味の区別が見られないという特徴が現れることになります。利府町は、従来これら北部と南部との境界地域に位置していましたので、興味深い地域でもあります。

参加した学生たちは、あらかじめ教室で練習した調査方法に従いながら、ひとつひとつ丁寧に質問をしていきました。ほとんどの学生が、生まれて初めての方言調査体験のはずですが、地元の方の優しさにも助けられ、順調に進行しました。温かく、なごやかな時間となりました。

ご協力くださった皆さんに感謝しながら、さっそく学生たちは教室で分析を開始しました。さて、どのような結果が出るでしょうか。発表が楽しみです。

(志村記)