「東北の文学・文化・ことばA」研修旅行報告

日本文学科で開講している授業「東北の文学・文化・ことば」は、架空の旅行会社「幽玄会社MTTミヤガク東北トラベル」を名乗っています。受講生は原則1年間社員として活動し、日本文学科の学びである「文学・文化・ことば」の視点から観光パンフレットを作成しています。

今年度下半期のテーマは「伝説とパワースポットを巡る旅」。教室ではテーマに関わる各種資料の調査も含めたプレゼンテーションを重ねていきました。このほど登米市内の寺社を中心に巡るコースが決まり、社員たちは日帰りで現地取材を行いました。

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仙台を出発して最初に目指したのは、津山町にある寺院の柳津虚空蔵尊です。杉並木に抱かれた境内は木漏れ日があたたかく、黄金色に染まったイチョウの木も目に鮮やかです。

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ご住職の奥様の先導で本堂を参拝後、調査項目としていた、「七不思議」が伝えられる場所もじっくりと見学、社員たちは熱心にメモをとっていきます。境内にあるカフェなどもご案内いただき、身に余る歓待を受けました。1300年の歴史と信仰に触れながら、地域振興の拠点として活動されている様子もうかがい知ることができました。

午後のスタートは南方町の大嶽山興福寺。観音堂、六角堂、仁王門等をめぐり、丁寧な撮影を重ねながら、記事の内容も構想していきます。珍しい屋根の形をした六角堂では建物内部を見せていただき、副住職さんからの説明に耳を傾けました。

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このあと、針田地区の「子持ち杉」を訪ね、そして石越町にある遠流志別石神社(おるしわけいしじんじゃ)を回りながら、伝説や昔話に登場する場所を実際に踏査して帰路につきました。

取材旅行には出会いがあります。人のあたたかさに触れた一日となりました。感謝の気持ちを紅葉の写真に添えながら、パンフレット編集へと作業が進みます。