12月23日、日本語教員養成課程では4年生による日本語教育実習報告会を行いました。今年は4年生7名が仙台市内の日本語学校で2週間の教育実習を行いました。5月に担当クラスが決定し、月に1回のペースで、担当するクラスの見学と学習者との交流を行ってきました。教育実習は9月上旬に行いましたが、実習の頃にはクラス全員の名前と顔が一致し、スムーズに実習に入れたようです。日本語教育実習では3つのクラスに分かれ、初級クラスを担当しました。実習報告会は、日本語教員養成課程の3年生と2年生に向けて、実習のスケジュールや教壇実習の内容など詳しく具体的に報告します。来年度実習を予定している3年生からは、「大変そうだが、楽しそうにお話してくれたのが印象的だった。90分というかなり長い時間に対して時間が余らないようにする対策などすごく参考になった」、「質疑応答の時間もとても有意義でした。少しでも用意できることは準備して、心の余裕をもたせて実習に臨みたいです」「4年生の先輩方はみなさん生き生きとしていて、教育実習が少し楽しみになりました」など、日本語教育実習の具体的なイメージが湧いて不安が解消され、楽しみになってきたというコメントが複数聞かれました。
日本語教育実習報告会に続けて、次の時間は、留学生によるプロジェクト発表会を行いました。9月に宮城学院女子大学に来たばかりの交換留学生の2人、オウ・アヘイさん(台湾)、キム・フィジュさん(韓国)は、日本語演習の授業の中でそれぞれ関心のあるテーマを設定し、調査・報告を行うというプロジェクトを実施しています。今回、その調査が終わり、分析・考察した内容について発表を行いました。聴衆は、日本語教員養成課程の学生たちです。
オウさんは、「日本人の曖昧表現」をテーマに発表を行いました。独自に作成したアンケートを宮城学院女子大学の学生70名を対象に実施した結果を報告しました。発表を聞いた学生からは「個人的に曖昧=はっきりとしていないくてわかりづらい」という悪いイメージがあって好きではありませんでしたが、優しさ、絆というプラスな言葉をつなげてくれて、少しイメージが変わるきっかけになりました」、「曖昧表現に着目した研究でとても面白いと思いました。イラストや文字に色をつけるなど工夫されていて、パワーポイントを見るのが楽しかったです」など、内容だけでなくパワーポイント資料の工夫についてもたくさんの反響がありました。
キムさんは「韓国に広まったあのうわさはほんとなのか―韓日女性人権について」というテーマでの発表でした。「韓国に広まったあのうわさ」とは、キムさんによるとネットに広がっている「日本のフェミニズムは没落した」といううわさだそうです。キムさんは、本当に日本ではフェミニズムが没落したのか?という問いを持って、宮城学院女子大学の女性学の天童睦子先生にインタビュー調査をしたり、韓国では本当にフェミニズムが盛んなのかについて調べるために、韓国の大学生にアンケート調査を行ったりした結果について発表しました。聴衆からは「フェミニズムについては大学の授業で得た知識しかありませんでしたが、日本の側だけでなく韓国の側からもフェミニズムについて知ることができ、面白かったです」、「脱コルセットなど、聞いたことのない単語もあり、とても興味がわいた」「日本に留学してこのような内容に興味を持つということが素晴らしいと感じました」など、留学生の発表から刺激を受け、多くのことに気づきを得たという声が多く聞かれました。
短い期間で調査・分析・発表まで行った留学生の皆さん、本当にお疲れ様でした。