2017年度日本文学科伝統文化教育プログラム第一弾「能を学ぶ!」を開催しました

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皆さんは、「能」をご覧になったことはありますか。

日本文学科では毎年、「能」を学び、観劇し、体験する機会として、伝統文化教育プログラムを実施しています。ほぼ一年にわたるこのプログラムでは、仙台藩お抱えの喜多流能楽師の家柄を受け継ぐ佐藤寛泰 師を講師としてお迎えし、寛泰 師より直々に「能」について教えていただきます。

6月28日(水)、日本文学科では2017年度伝統文化教育プログラムの第一弾、「能を学ぶ!」を開催しました。「能」とは一体どういうものなのか寛泰 師から伺った後に、実際に皆で謡いのお稽古をしました。今回は木曾義仲の愛妾、巴御前を主人公にした「巴」です。節がある部分とない部分では何が違うのか、といった説明も受けながら、師に続いて声を出してはみたものの、初めて能の世界に足を踏み入れた学生たちには大変難しかったようですね。

「シオリ」という、指をそろえて額のあたりにもっていく所作(涙を流す場面で用いるそうです)を習った時には、見よう見まねながら何度も練習する学生の姿も見られました。

続いて、足袋にはきかえた学生たちが数名、舞台にあがります。正座し、緊張しながら、ひとりひとり能面をつけていただきます。きつい・・・と思わず声をもらしてしまった学生もいましたが、全員が能面をつけて立ち上がるとすぐに舞台の雰囲気が変わりました。師の指示に従い能面をつけたまま俯くと、また違った空気が漂い始めます。能において、所作は喜怒哀楽を表現するのに必要不可欠なのだなとよくわかりました。

能の「構え」についても教わり、「すり足」の練習もしたり(これがまた難しくロボットのようになってしまいましたが)、舞台の上で奮闘した学生たちには非常に良い経験になったのではないでしょうか。

今回、佐藤寛泰 師は特別に、舞と謡を披露してくださいました。能の中の名曲といわれる、羽衣伝説を基にした「羽衣」の舞と、『源氏物語』に着想を得た「葵上」です。実はこの「葵上」、7月29日に日本文学科が開催する特別公開講座にちなんで選曲してくださいました(ありがとうございます!)。

貴重な体験ほど、時間はあっという間に過ぎますね。この春日本文学科に入学し、これから学びを深めていく学生たちはどう感じたのでしょう。こんなにすぐそばで、日本が誇る伝統芸能に触れた、体験できたということを、今後の学びに生かしてもらいたいと思います。

次は秋に皆で「能」の観劇に出かけましょう。