日本文学科では2015年度日本文学科伝統文化教育プログラムの締めくくりとして、「能の実技体験講座」を、2月15日から17日にかけて開催しました。
講師には日本文学科お馴染みの喜多流能楽師 佐藤寛泰 師をお迎えしました。
今回の課題は能の『猩々』です。
春休みの開催となりましたが、とても熱心な学生たちが集まりました。一流の能楽師から学ぶ能の世界は、彼女たちにとってすべて未知の世界だったかもしれません。しかし、濃密で貴重な3日間を過ごすことにより、最終日には詞章を諳んじて謡えるようになった学生たちの姿がそこにありました。
佐藤師よりアドバイスを頂く度に、すかさず前のめりになってペンを走らせる。仕舞の稽古の際には、何度も何度も苦手な部分を反復練習して身体に覚えこませようとする。学生たちの表情はチャレンジ精神に満ち溢れ、きらきらと輝き、活力がみなぎっていました。
そうして、お稽古を繰り返すにつれ、扇をもつ手がピンとまっすぐ伸びるようになり、背筋はすっと美しくなり、眼差しは真剣そのものとなりました。
教室の外にまで朗々と響き渡る声は、たまたま近くを通りかかった人も足を止めてしまうほど。伝統芸能の世界は学生たちを魅了したようです。
「もっと習いたかった!」
「もっと能の世界に浸っていたかった!」
「終わってしまって寂しいです……」
次年度の日本文学科伝統文化教育プログラムに期待が高まります。