日本文学基礎演習研修旅行を行いました

trip

 日本文学科では5月26日から27日にかけて、恒例の日本文学基礎演習研修旅行に1年生全員で出かけてきました。毎年研修旅行は晴天に恵まれますが、今年も期待通りの良いお天気。昨年は角館を訪問しましたが、今年は山形県鶴岡市を訪れました。

 研修旅行初日、鶴岡公園内にある大宝館で集合写真を撮影した後は、各自、自由見学となりました。鶴岡市には藤沢周平記念館、鶴岡カトリック教会天主堂、致道博物館、庄内藩校 致道館、風間家旧宅 丙申堂など、作家藤沢周平に関連する場所や、歴史的建造物などが多くあります。先ずは学生の感想をひとつご紹介。

 「5月26、27日に日本文学基礎演習研修旅行で山形県鶴岡市へ行ってきました。鶴岡市へ行ったのは初めてだったので、色々なものを見ることができて良い経験となりました。

 1日目は鶴岡市中心部を散策しました。大宝館や荘内神社、藤沢周平記念館などに行きました。特に印象に残っているのは風間家旧宅 丙申堂です。約120年前のガラスがそのまま残っていたり、梁のつくりが珍しかったりと、とても貴重なものを見ることができました。また、天主堂も印象的でした。ここは国指定重要文化財にもなっているカトリック教会で、日本で唯一の黒いマリア像があります。教会内は装飾が美しく、とても明治に建てられたとは思えませんでした。落ち着いた雰囲気だったので、じっくり見学することができたと思います。宿泊したホテルも日本海を美しく望むことができ、温泉も気持ちよく、食事も沿岸部ならではのものを美味しく味わうことができました。

 2日目は加茂水族館、湯殿山 注連寺へ行きました。

 水族館はクラゲドリーム館ということで、たくさんの種類のクラゲを見ました。こんなに豊富に見たのは初めてです。クラゲだけでなく、アシカや他の魚も見ることができ、とても良い時間を過ごせました。

 湯殿山 注連寺では住職さんのお話が面白く、興味深かったです。貴重な即身仏も見ることができました。景色にもご開帳されていた仏像にも美しく魅了されました。

 今回の研修旅行で、多くのことを知り、学ぶことができました。それらを知識として蓄え、学習に生かしていけたらと思います。」(N.Kさん)

 研修旅行2日目には昨年リニューアルしさらに大人気になった加茂水族館を訪れ、クラゲの展示室「クラネタリウム」の幻想的な雰囲気に癒されました。水族館ではクラゲを用いた食べ物が売られており、クラゲアイスを堪能する学生たちの姿が多く見られました。昼食をはさみ、午後には即身仏が安置されている湯殿山 注連寺へ。先日、NHKの番組で取り上げられていた即身仏、ご覧になられた方はいますか。ここでまた学生の感想をご紹介。

 「作家、藤沢周平の郷里である山形県の庄内地方。自然に囲まれ、日本海に面しているという何とも恵まれたこの地の背景には、藤沢が愛した山や河川の佇まいが伺えた。藤沢が小説で描く海坂藩は、その地理的な特徴から庄内地方がモデルであったとされる。その視点から鶴岡の路地を歩むことは非常に興味深く、まるで当時の藤沢と同様の感動を覚える心持ちがしたといっても過言ではないだろう。

 小説の舞台となった建造物に巡り合うことも、私の想像力を掻き立てた。古きよき趣のある魅力に引き込まれて路地を辿り、ふと顔を上げるとそこには三浦屋が。大督寺が。歴史の流れを長らく受けとめてきたことが感じられる。藤沢も、当時このようにして思いを馳せることがあったのだろうか。そう思う。

 自らの足で歩んだことで、藤沢がいかにして庄内の地に惹かれたかを悟った。五間川のせせらぎを眺めに、心地良い潮風にあたりに、私は再びこの地を訪れることになるだろう。」(E.Nさん)

 最後に「大学とは・・・!」という象徴的なタイトルをつけてくれた学生の感想をご紹介し、2015年度日本文学基礎演習研修旅行の報告としたいと思います。1年生の皆さん、楽しかったですね!

 「研修旅行を終え、第一声に何が出てくるかを考えた。疲れた、のは当然である。むしろ疲れたなど毎日思っている気がする。お金使わなかったな、それはお土産を全く買っていないからである。そういえば高校の時は、事前にカタログで頼んだりしたっけな、高校の修学旅行つまんなかったな、それに比べて今回は・・・。

 「フリーダムだな」 まさしくこの一言に尽きる。

 まず自由を感じたのが、タイムスケジュールだ。高校までのあの分刻みがまるで拘束のようである。次に先生方。李先生の海で遊ぶ姿、浜辺を歩く田中先生、浴衣が似合う伊狩先生、SAを満喫する澤邉先生、高い所が苦手な矢元さん・・・。どなたもおそらく私より若い。今回初めて話をした友達もできた。間違いなく高校より楽しかったし、自由だった。

 大学とはフリーダムである。このフリーダムをどう使うかもフリーダムである。私はせっかくだし有意義にしよ、と思ったのであった。」(Y.Sさん)