【日本語教員養成課程】 韓国研修のご報告

kore<韓国研修旅行 全体報告>

日本文学科の日本語教員養成課程では、9月15日~19日の日程で韓国研修を行いました。韓国は世界でも日本語教育が大変発展している国で、学習者数が多いことで知られています。今回の研修では日本語を学ぶ高校生、大学生、社会人と交流し、実際に授業見学も行いました。さまざまな年齢の日本語学習者との交流、そして、海外における日本語教育の現場を自分の目で見て学ぶ貴重な機会になりました。また、歴史的な建造物や現代のソウルを象徴するNソウルタワー等を訪れたり、現地の人とコミュニケーションしたりすることを通して、韓国の生活文化や日本とは異なる韓国の常識にも触れ、日本の文化を客観的に見つめ直す機会にもなったようです。

 

 

<訪問先別感想 参加学生のレポートから>

①徳沼高等学校訪問(9月16日)

日本語の授業を見学して、 積極的に発言している姿がとても印象的でした。日本の高校生であればわかっていても発言しなかったりするので、そういう部分は見習わなければいけないと思 います。また、グループごとの交流では最初仲良くなれるか不安でしたが、わかる日本語を使ってコミュニケーションをとろうとしてくれたのが嬉しかったで す。私も韓国語を勉強していけばよかったと思いました。一緒に折り紙を折ったり、韓服や浴衣を着たりとても楽しかったです。(Uさん)

②聖潔大学校の学生さんとの自由行動(9月17日)

景福宮や北村などの歴史ある場所に案内してもらいましたが、歴史に関する難しい日本語もスムーズに話していて、本当によく勉強していることが伝わって来ました。これまで、私は韓国に対して似ていることが多いという印象を持っていましたが、案内をしてもらって、韓国を知れば知るほど、「こんな違いもあったのか!」という発見ができました。それは韓国独自の文化や日本独自の文化がそれぞれにあるということを意味しているので、とても嬉しくなりました。(Nさん)

③南山韓屋村・Nソウルタワー(9月18日午前)

3日目に行った景福宮や北村で説明してもらったことが頭にあったので、とても有意義に過ごすことができました。例えば、建物は位の高い人が使うところほど石段が高くなっているということや日本の障子紙のような役割を担う韓紙というものがあることなど、前日の大学生の話を思い出しながら見学することができました。Nソウルタワーでは、日本(東京・福岡)の位置を確かめつつ、ソウル市内を一望しました。都市の風景とその奥に広がる緑の山々が大変印象的でした。(Nさん)

④国際交流基金ソウル日本文化センター 日本語講座(9月18日午後)

初中級、中級、中上級の授業に参加しました。レベルの異なる授業を見学しましたが、積極的に学習に取り組む姿は共通していました。中上級のクラスでなぜ日本語を勉強し始めたのか、と質問したところ、日本のドラマやバラエティ番組をネットで見たことやアイドルに惹かれたこと、日本のファッションに興味を持っていることなど答えてくれました。実際の声を聞くことができ良い機会でした。自己紹介の授業でも互いの常識や文化にふれることが出来ました。(Hさん)

<研修全体を通しての感想>

日本語教育を専攻していながら、一番先にこのことを述べるのは、おかしな話ですが、この韓国研修を通し様々な条件、環境で日本語を学ぶ学習者と交流して、一番思ったことは、「言葉が通じなくても、人間、伝えようと思えばなんとかなる」ということでした。もちろん、何の問題もなく会話ができる学習者も多くいましたが、高校生や、日本語能力があまり高くない大学生と交流した際に強く感じました。しかしながら、だからこそ、「伝えよう」という意志が大切なのだということも同時に感じました。それは、一外国人同士の会話としてだけではなく、日本語を、日本語能力の低い学習者に対して教える時も同様だと考えさせられました。特に国際交流基金での授業参加は、自分が今後何を身につけていかなければならないのか、深く考えさせられるよい経験となりました。

また、似ていると思っていた韓国と日本には、実は多くの違いがあったという発見もありました。韓国へ行って、はじめて日本での当たり前が、当たり前ではないことを知りました。ここでの発見は、今後の自分の学びや活動にとってとても重要なものになると思っています。どんなに内側(日本)にいてたくさん勉強しても、外側(海外)からも見て見なければ、わからないこともあるのだと痛感しました。

また、今回は、「外国人」という体験もできました。知らない土地、知らない言語、知らない食べ物…知らないものに囲まれながら励む、日本在住の外国人や海外在住の日本人に、エールを送りたいと思いました。(Nさん)

 

 4泊5日の研修旅行は大変充実しており、心から参加して良かったと思う体験でした。初めての韓国は驚きと発見ばかりで毎日が新鮮でした。韓国の店員の対応や街の中のカップルの様子、車の走行状況など、日本との違いを感じました。飛行機で2時間半程度の距離にも関わらず、大きな文化の違いに驚きました。また、日韓の政治事情の関係で日本人は忌み嫌われるのではないか、と少し不安もありましたが、そのようなことは全くありませんでした。特に韓国で交流した人々は温かく私たちを迎え入れてくれ、コミュニケーションを取ろうと対応してくれました。拙い「アニョハセヨ~」や「カムサハムニダ」に反応してくれる現地の人も多く、それに「こんにちは」と返してくれることもありました。ニュース等で見る反日感情をむき出しにした韓国人はおらず、人の温かさを感じることができました。

今回の研修は日本語教育を肌で感じることで、自身の意識が高まるきっかけとなりました。それと同時に日本に興味関心を持つ外国人の存在が嬉しかったです。参加しなければ、その人たちに実際に会うことはできなかったと思うと改めて自分が経験した5日間は貴重で、大きな刺激となるものでした。日本語教育を学ぶ意欲や語学力を高めたいというやる気が漲る機会でした。本当に濃い5日間で、忘れがたい日々です。研修を通して得た友情や、芽生えた意欲を、今後の大学生活に生かしていきたいです。また、関わった人々全員に感謝を伝えたいです。(Hさん)