いまこそ「よむ本」:心とカラダを整える おとなのための1分音読
2020.12.07
現代ビジネス学部現代ビジネス学科 宮原 育子 教授 [教員プロフィール]
タイトルに惹かれて昨年買い求めた一冊です。この本は、筆者が、日本の小説や随筆、詩や短歌56作品の一節を音読用に抜き出し、「1分を目安に読める文章」として掲載したものです。筆者曰く、音読は黙読よりも「自分の声を通して、文章がもっと心と頭、体に響くことを感じる」と言っています。推薦者の医師によると、音読は「気持ちが落ち着き、やる気が出て、ストレスが解消し、抵抗力がアップし、脳の活性化や誤嚥性肺炎の予防に役立つ」のだそうです。いいことずくめですね。コロナ禍の中、マスクばかりの生活で疲れたとき、筆者が勧めるように「大きな口を開けて、顔全体の筋肉を使って、明るく元気に大きな声を出して」読みましょう。ただし、今はひとりの場所で。私が気にいった作品は、内村鑑三氏の「寒中の木の芽」という詩と、歌舞伎十八番のひとつ「外郎売り(ういろううり)」の一節です。内村氏の一節は心が静かに励まされる感じがし、「外郎売り」は、心が弾んで笑いが出てしまいます。コロナの時代に文学作品の音読エクササイズはお勧めです。続編もあります。