いまこそ「よむ本」:現代語訳 学問のすすめ
2020.05.29
教育学部教育学科幼児教育専攻 西浦 和樹 教授 [教員プロフィール]
名著を読む:「学生時代に読んでほしい本」と聞かれて思い浮かぶ本が2冊あります。
一つは、「知的生産の技術(岩波書店|梅棹忠夫)」でした。
◆5月26日の記事へ
二つ目に紹介する名著は「現代語訳 学問のすすめ(ちくま新書|福沢諭吉(著)齋藤孝(訳))です。この本に出合ったのは、慶應義塾大学SDM研究科に訪問教授として赴いたときです。日吉キャンパスの福沢諭吉像に毎日あいさつし、本を読むことを日課としていました。財布の中の1万円札から聞こえる言葉は、「天は人の上に人を造らず人の下に人を造らず」。もちろん有名な『学問のすすめ』の冒頭の言葉です。しかし、この本の良さはそれにとどまりません。齋藤孝先生の現代語訳によって、現実社会の心得が一般人にもわかりやすく示されています。
いつの時代も「人は学ばなければ、智はない。智のない人は愚かな人である」という物事の本質を教えてくれます。先の名著と同じく、学び続け、変化を求める姿勢が自己の成長につながる。そのことが大切なのです。
なお、この本は、2009年2月に発売されてから2020年3月で56刷になる名著中の名著です。名著は何度か読み返すと、新しい見方や考え方、発見につながるヒントが得られます。