2021年01月18日放送 15回

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放送音源

15回目の放送となります。今日のパーソナリティは、正木ゼミ3年の百々美潮です。
出身高校は美田園高校です。
ここ数週間、コロナウイルスの感染者数が増えていますね。緊急事態宣言が出された都道府県もあり、今一度感染対策に力を入れなければならない状況です。管理栄養士を目指す宮城学院女子大生のパワフル奮闘記もコロナウイルス感染予防のため、今回から遠隔での収録となります。タイムラグ等が生じる場合もあるかもしれませんがご了承ください。
といことで、今日は「改めて考えたい、感染症対策」をテーマに自己紹介させていただきます。

≪コーナー1私たちのキャンパスライフ≫
今回は、私、遠藤真子が「食品栄養学科学生自主活動団体Food and Smile!」について紹介します。

「Food and Smile!」は、「食を通じて人々を笑顔に!」をモットーに、学生自身で活動を作り上げる自主活動団体です。宮城学院女子大学食品栄養学科で管理栄養士を目指す学生で構成され、通称「FAS(ファス)」と呼ばれています。
私は、今期のFASの副代表を務めています。
FASは、東日本大震災の教訓を活かし、水・電気・ガスをできるだけ使わずに避難所や家庭にある食材で作ることができる、衛生面・栄養面に配慮した災害食レシピの考案やこれらのレシピを用いた防災料理教室を開催し、災害食の普及を目指している団体です。
2013年に設立され、現在は丹野久美子先生や大学院生の佐々木優花さんにご指導いただきながら活動しています。

今年度で東日本大震災から10年という節目を迎えます。ラジオをお聞きの皆さんは、あの日、あの時どのように過ごされたでしょうか。

私は、当時宮城県七ヶ浜町内の小学5年生で、体育館での授業中に被災しました。当時の揺れは、まるでくじ引きの箱を上下左右に激しく揺するような、経験したことのない激しい揺れで、私は箱の中で転がされている感覚さえ覚えました。避難所は寒くて毛布にくるまりながら恐怖に耐えたことを覚えています。次に食べる食料に困るという経験も初めてのものでした。
今回のこのコーナーを通して、再度震災について考え、向き合うとともに、災害食について考えてみる時間にして頂ければ幸いです。

災害時には、避難所において行政が備蓄している備蓄食品、おにぎりやインスタント食品などの食料品が早い段階から準備されますが、状況によっては難しく、食料不足が生じます。また、災害時は備蓄食品としておにぎりやパンが多いことから、炭水化物を中心とした食生活で栄養に偏りが生じ、災害避難における健康二次被害を引き起こしてしまうことも想定されます。さらに、食事に特別な配慮が必要な乳幼児や高齢者、病気により食事治療を受けている方にとっては、避難所などで提供される食事が必ずしも適しているとは言えません。そのため、それぞれの食事情や栄養バランスに配慮した食料品の備えを徹底するとともに、これらを用いた衛生面・栄養面を考慮した食事を心がけていくことが必要です。

これらの背景を踏まえて、FASとしては、大きく2つの活動をしています。
1つ目は、FASメンバー内での災害と食についての勉強会です。学生が主体となって企画を持ち込んだり、講師の方をお呼びしたりして勉強会を開催しています。勉強会では、災害時における食生活の向上を目的とした、避難所や家庭にある食材で簡単に作れる災害食レシピの考案も行っています。これまでには、洗い物削減に有効なビニール袋内で調理する和え物や乾パンのアレンジレシピなどを考案してきました。
2つ目は、県内各地での防災料理教室や災害に関するイベントでのブース運営です。料理教室やイベントの依頼を頂いた際には、災害食の料理指導や試食提供、備蓄食品や災害時の減塩のポイントなどの災害と食に関する情報を掲載したリーフレット配布を通して、災害食に関する普及を図っています。
コロナ禍にある現在では、対面での活動が制限されているため、オンライン上でのミーティングやこれまでの活動の整理、免疫力アップレシピの考案などをしてきました。今後は、オンライン上でのイベントなどにも参加する予定です。

ではここで、ラジオをお聞きの皆さんに災害に備えるための備蓄食品について是非活用して頂きたい情報を提供します。
皆さんは、どれだけの量の水や食料品を備蓄されているでしょうか。

私たちが備蓄すべき量は、水では飲料水として1日に1ℓ程度必要になります。そのほか、調理や歯磨きなどに使用する水を含めて1日3ℓの用意があると安心です。
また、食料品に関しては、東日本大震災での食料調達・電気及びガスの復旧状況を踏まえて、最低でも3日分、出来れば1週間分程度の食料品の備蓄に取り組むことが推奨されています。備蓄食品としては、柱となるのはお米です。その外にも肉や魚、果物などの缶詰、レトルト食品、ロングライフ牛乳、玉ねぎやジャガイモなどの日持ちする野菜や野菜ジュースなど、栄養の偏りによる健康二次被害を引き起こさないためにも様々な種類の食料品を備蓄しておきましょう。

今回は、食品栄養学科自主活動団体Food and Smile!の活動紹介を通して、災害時の食についてお伝えしました。災害はいつ何時起きてもおかしくありません。それは、明日かもしれない。東日本大震災大震災から10年の節目、改めて災害との向き合い方を見つめ直し、災害への十分な備えを徹底していきましょう。
今回は、私遠藤真子が「食品栄養学科学生自主活動団体Food and Smile!」について紹介しました。

≪音楽タイム≫
ここで一曲お届けします。
ラジオをお聞きのみなさんは、うれしいとき、悲しいとき、どんな音楽を聴きたくなりますか?
この番組では毎週、女子大生目線で心の栄養源となる音楽を紹介していきます。
今週ご紹介する曲は、私、遠藤真子の選曲で、花は咲くプロジェクトの「花は咲く」です。
それでは、お聞きください。
~♪~

≪コーナー2泉区いいとこ大発見 part4≫
今回は、私、遠藤真子が担当させていただきます。よろしくお願いします。
今回は、仙台市泉区長命ヶ丘にある「Natural Café ROUTE99」さんをご紹介します。
昨年度も取材をさせて頂きましたが、今回はコロナ禍でどのような対策をされているのかという点についてもお聞きしたく、改めて取材に伺いました。

Natural Café ROUTE99さんは、北環状線沿いバス停「川平市営住宅東」の目の前にあります。「COFFEE HOUSE」とコーヒーカップが書かれた黒い看板が目印です。お店の前には、店内にある暖炉で使用する薪が置かれています。駐車場は6台分設置されているため、車で訪れることも可能です。

店に入ると、看板犬の栗丸くんと非常に元気で気さくな店主の髙橋さんがお出迎えをしてくれます。お店は、店主さんお一人で経営されています。店内は、広々としていて、暖炉や動物のオーナメントなどのインテリア雑貨、店主さんおすすめの本が置かれています。また、お店の上の階には、店主さんの親族が住んでおり、店主さんのお母様は人の自然治癒力に働きかける治療法であるホメオパシーに関する活動をされているため、店内にはホメオパシー関連の商品や本も置かれています。コロナ禍の現在では、お客さん同士の接触の機会を減らすために、席の間隔を広めに取り、換気や食事提供前の消毒を徹底するなどして、対策が施されています。

お店で提供されるメニューは、農薬や化学肥料不使用のオーガニック食材を使用し、お店で手作りするなど、「人は食べたもので作られる。お店に来た時くらい体にいいものを食べてほしい。」という店主さんの想いから、素材にこだわったメニューが展開されています。

お店の人気メニューは、コーヒーとホットケーキです。コーヒーは、無農薬のオーガニック生豆を使用し、自家焙煎されています。カフェインが少ない豆を選ぶなど、常時8種のコーヒーが揃っています。ホットケーキは、卵や牛乳不使用で、小麦粉ではなく、小麦丸ごと粉上にした全粒粉が使用され、小麦本来の味や香りを堪能できます。他にも、手作りパンのサンドイッチなど、オーガニック・手作りを基本としたこだわりの一品をいただくことができます。
取材後に店主おススメのスペシャリティーコーヒーをいただきましたが、しっかりとしたコーヒーの味の深みや香りが感じられ、とても美味しかったです。

店主の髙橋さんは、とても気さくな人柄で、店主さんとの会話を楽しみにお店に訪れる方も多いです。私も取材を行う上で、大変多くのことを学ばせていただきました。
特に、お店を経営していく上で大切にしていることを聞いた際の「自分が自然体でいることによって、お客さんも自然体でいられるようにしている」という言葉が印象的でした。拝見したお店の口コミには「店主さんの人柄が素敵、落ち着く、居心地がいい、ゆっくりできる」などといった記載が多くありましたが、お客さんがこのように感じて過ごすことができている背景には、店主さんの大切にしている想いがあることが分かりました。

また、店主さんは、「本来は全員が個人事業主。自分を喜ばせるつまりは自分が楽しい、気持ちが動くことに対して頑張ることが1番大切で、これが誰かを喜ばせることにもつながる。何をするにしても正解はなく、自分が良いと思ったことが1番。皆違うオンリーワンだからこそ、ありのままの自分で生きていこう。死ぬ寸前に良かったと思える生き方をしよう。」と仰っていて、とても心に響きました。
今回の取材中、店主さんは、終始活き活きとして、本当に楽しそうにカフェを経営されていました。店主さん自らの想いを、カフェで提供する商品やカフェ全体の空間という形にし、それを通してお客さんに想いを届ける。
今回は、カフェの経営を通して想いを届けるということを、店主さんとお客さんその両者を拝見して知ることができ、カフェ経営の奥深さや素晴らしさを感じることができました。大変学びが多い取材でした。
今回取材を快く引き受けてくださった、店主の髙橋幸大さん、大変ありがとうございました。

「Natural Café ROUTE99」店名にもあるNatural。店主さんの想いがここに込められている気がしました。自然体でありのまま。そんな食材を用いた料理を口にし、ありのままの自分で物思いにふける。そんなひと時を味わってみませんか。
今回の「泉区いいとこ大発見 part4」は、「Natural Café ROUTE99」さんについて、紹介いたしました。
≪コーナー3 「栄養学生が教える!〇〇」≫
このコーナーでは、栄養や健康知識を常に学んでいる私達が、新鮮な情報をお届けします。
今回は正木ゼミ3年の石山愛梨さんからの情報です。
あっという間に1月も下旬にさしかかり、1年で最も寒いと言われる「大寒(だいかん)」の時期になりました。日本海側では記録的な大雪が降るなど、寒い日が続いています。
そんな時は温かいものを食べたくなりますが、今回は視点を変えて体を温めると言われている食材についてお話したいと思います。

皆さんは体を温める食材と言えば何を思い浮かべますか?

様々な食材が挙がりましたね。根菜類は体を温めるイメージがあると思います。特に生姜は、体を温める食材として有名ですよね。ですが、生姜はその効果が得られない場合があるのです。

それは生姜に含まれる、体を温める成分に秘密があります。

生姜をかじってみるとピリッとした辛みがあります。これは主に「ショウガオール」「ジンゲロール」という辛み成分が含まれているためです。

ショウガオールは、血管を緩める作用のある成分を、お腹のあたりに作らせる効果があります。そのため体の中心部分の血流がよくなり、体の芯が温まります。

ジンゲロールは、生の生姜に最も多く含まれており、指先や足先などの血行を良くする働きがあります。
これらの成分を摂取することで体が温まることは科学的に証明されており、機能性食品としても活用されています。
ですが、生姜からその効果を得るとなると、難しい点があります。

手足の血行を良くするジンゲロールですが、血流がよくなるとそれに伴い汗が出てくるので、結果的に身体を冷やすことになると考えられています。
また、ジンゲロールの働きは体の芯の熱を指先や足先に送りだしているため、芯の熱がやや下がるとも言われています。

この効果は生姜が生の時に発揮されるので、体を温めたい時に生の生姜を食べると逆効果になることもあると考えられるのです。
実は、体の芯を温めるショウガオールは、加熱した時にジンゲロールが変化してできる成分でもあります。

ある研究では茹で、蒸し、炒り、焼き、電子レンジの5つの調理方法の中で、最も生姜中のジンゲロールがショウガオールに変化するものを検証しました。

その結果、茹でと蒸しの調理法において、生の生姜に含まれるショウガオールに比べ3倍以上増加していることが分かりました。
ですが、その調理法によって体が温まるかどうかの検証はされておらず、断言することはできません。

一般的に体を温める生姜の取り方として、生の生姜をすりおろし、温かい飲み物に入れて飲む「しょうが湯」が有名ですが、科学的に効果が示されている論文は見つけられませんでした。

このことから、一般的な生姜から体の温まる効果を得るためにどのようにすべきかは、科学的には明らかになっていないのです。

より生姜の効果が発揮されるのは生姜を乾燥させた「乾燥生姜」が良いと言われています。漢方などで使われている生姜も乾燥させたものです。あるテレビ番組でも乾燥生姜の作り方が紹介されていました。興味のある方は是非チェックしてみてください。

正木ゼミでも体を温める食べ物として、現在の4年生の先輩方がウィンターセイボリーについて研究を行っていました。ウィンターセイボリーとは、南欧原産のシソ科の植物で、欧州では肉料理、豆料理の香りづけに使われています。

近年、ウィンターセイボリーエキスを含むドリンクが機能性表示食品として登録され、注目を集めています。
機能性があるとされる成分は「ウィンターセイボリー由来カロバクロール」と「ウインターセイボリー由来モチール」というもので、肌寒く手足の表面の温度が低下していく環境において、手先や足先を温かく保つ機能があることが報告されています。

寒さが厳しい日が続きますが、食材の性質を理解し、効果的に体を温めて寒さを乗り切りましょう!

今回は正木ゼミ3年石山愛梨さんに「体を温める食材」について教えていただきました。
本日は、遠藤真子さん、コメンテーターは横山さん、パーソナリティは百々美潮でお送りしました。

管理栄養士を目指す宮城学院女子大生のパワフル奮闘記 『来週もお楽しみに!』