こんにちは!英文学科の教員の山口晋平です。本学科では主にアメリカ文学系の科目を担当しています。アメリカ文学の中でもナサニエル・ホーソーンという作家について主に研究しています。
といってもホーソーンという名前を聞いたことが無い人も多いことでしょう。恐らく「アメリカ文学」という言葉を聞いてもなかなかぴんと来ないのではないでしょうか。「アメリカ文学って何だか難しそう…」と思う人もいるかもしれませんが、実はそんなことありません!
私がやっていることの中には皆さんの身近にも関係することがあります。例えば「物語」について考えてみましょう。恐らく人生で一回も物語に触れてきたことのない方はいらっしゃらないと思います。小説、漫画、アニメ、ゲーム、ドラマ、映画など、現代にはたくさんのメディア(媒体)が存在します。どんな形であれ、これらが扱うのは「物語」です。皆さんはこれら「物語」をどのように受け止めているでしょうか?
誰もが知っているディズニーの『シンデレラ』(1950)の物語について考えてみましょう。最終的に王子と結婚して幸せに暮らす物語ですが、最近はこれに対し「シンデレラの主体性が終始欠けている」といった批評も多くなっています。言うまでもなく女性の権利を見直す動きが強くなってきているからですね。時代によって読み方が変わってきたことの顕れでもあります。
こういった流れを受けて、例えばAmazon Originalの『シンデレラ』(2021)では、シンデレラが自分でデザインしたドレスを自分で売ろうとする自立的な姿が描かれていますし、王子と結婚せずに終わります。他の『シンデレラ』作品を鑑みても、物語の描かれ方が時代時代で変容していることは明らかです。
このように物語の描かれ方、そして読み方というのは1つではありません。だからこそ物語の持つ可能性を精査し、新たな解釈を見つけていくことが大事になります。

(スライドは『風と共に去りぬ』の映画と原作小説を比較する授業で使ったもの)

物語は変化します。それには時代背景の変化、文字から映像といったメディアの移行、解釈の多様性など様々な要因があります。私の授業ではアメリカ文学を入り口に、そういった変化も含め物語を取り巻く状況を学びながら、作品を読み直すことを目的としています。皆さんも自分の好きな物語の新しい一面を一緒に見つけ、ぜひその感動を共有しましょう!
(写真は実際の授業風景)
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