教員のリレーエッセイ:教育学科 教授 石川隆

皆さんこんにちは。教育学部・教育学科・幼児教育専攻で図画工作、造形表現などを担当しています石川と申します。大学の授業の中で、時々、色の世界についての講義をするのですが、今回はその一部分について少しお話をさせていただきます。

色には大きく分けて、白、黒、灰など色味のない無彩色と、それ以外の赤、青、黄色など色味のある有彩色があります。色の世界の中では、これら一つひとつの色の居場所が決まっており、3次元的な世界を形成しています。この色の世界を私はよく、地球儀に例えて学生に講義をしています。例えば白の国は北極にあり、黒の国は南極にあり、灰色の国は地軸の地下世界にあり、北極に近い国は明るく、南極に近い国は暗くなります。赤道には鮮やかな純色の国が虹色のように並んでいます といった具合です。

また、色には反対色という関係があり、赤道に並んでいる純色について説明すると、赤道の反対側にある色同士が反対色という関係になっています。いくつか例を挙げると、赤と緑、黄色と紫、橙と青などが反対色の関係にあります。これらの色が隣り合うとお互いが非常に反発してギラギラした状態になります。しかし間に白、黒、灰色などの無彩色が入ると、不思議なことに、このギラギラ感が緩和されて居心地のよい空間が生まれます。無彩色がうまく2つの色の仲介役、パイプ役になってくれるからです。

 

保育・教育の現場では子ども同士のトラブルが発生すると、先生が仲介役となりますが、上手く仲介するのはベテランの先生でもなかなか難しいようです。本学の幼児教育専攻では、色の世界の無彩色のように、子どもと子どもだけではなく、様々な人と人とのパイプ役となって活躍してれる人材に育ってくださることを皆さんに期待しています。そして、このような人材が増えることによって、少しでも世界のギラギラ感が緩和されることを願っています。

 

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