食品栄養学科 伊藤佳代子です。公衆栄養学を担当しています。
食品栄養学科では管理栄養士の資格取得に向け、3年次に、給食経営管理、公衆栄養学、臨床栄養学の3分野の臨地実習に行くことになります。
公衆栄養学の臨地実習は、保健所や市町村保健センターが実習先です。
皆さんは保健所や市町村に管理栄養士がいることをご存じでしょうか。国の機関、厚生労働省にも管理栄養士がいて、それぞれ、国の、都道府県の、市町村の健康づくりのための計画や施策を立案し、事業を推進しています。
宮城県は、メタボリックシンドローム該当者及び予備群の割合が14年連続全国ワースト3位以内という状況です。また、食塩の摂取量は男性で全国1位の多さとなっています。これらは、生活習慣病の要因となるため、宮城県では、野菜たっぷり、塩分控えめな「ベジプラスメニュー」商品化事業として、管理栄養士養成大学の学生からレシピを募集し、その中から企業とコラボして商品化し販売するという事業を実施しています。本学科でも昨年度から公衆栄養学実習の一環として、3年生全員がメニューを考案し応募しています。昨年度に引き続き、今年度は2社4作品(4名)が商品化されることになりました。
(上写真は商品を紹介する相澤亜子さん)
(上写真: 11月6日“みやぎベジプラス・メニュー”商品化発表会後、村井県知事を囲んで...商品開発を行った食品栄養学科の学生、前列左から相澤亜子さん/藤崎真実さん/県知事/髙橋美空さん/茶野木望々さん)
これら事業への参加を通し、宮城県の健康課題とその改善のための事業計画や展開方法、商品化までの工程などについても学んでいきます。また、私のゼミの活動として、社会連携先の企業の社員食堂で、健康づくりのためのメニューの提供と栄養・食生活を中心とした健康づくりのための情報提供を行っています。社員の方々の中には野菜をたくさん摂ろうと思う方や減塩を気にしている方も見られるようになりました。
(上写真は“みやぎベジプラス・メニュー”の商品開発を行った茶野木望々さん/藤崎真実さん/髙橋美空さん)
このように、公衆栄養学は、国の方針のもと、地域や集団の現状をアセスメントし、健康づくりの課題を抽出し、改善のための事業計画を立案、実施していくことが求められる分野です。授業では、基本となる法律はもちろん、現状分析のための統計学なども入れながら進めていきます。
(写真はゼミ活動での社会連携先の企業の食堂に提供した献立とアンケートの様子)
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