教員のリレーエッセイ:英文学科 教授 清水 菜穂

アメリカ文化は面白い!

 
 皆さん、こんにちは。英文学科で主としてアメリカ文化関連の授業を担当している清水菜穂です。
 ハンバーガーをはじめとするファスト・フード、現代のコミュニケーションには欠かせないスマートホン、そして子供も大人も楽しめるテーマパーク。もはやアメリカ文化は「アメリカ生まれ」などと意識することなく、私たちの暮らしの隅々まで入り込んでいます。でも、ちょっとここで違う角度から考えてみてください。たとえば、誰でもよく知っているあの大手のハンバーガー・チェーンはなぜアメリカで生まれ、どうやって世界中に広まったのでしょうか?スマホはいったい誰が発明したのでしょう?ディズニーランドの創設者があの「夢の国」に託した理想はどんなことだったのでしょうか?ほらね、次から次へと疑問がわいてきませんか。

 あるいは、ニューヨークに初めて行く人々のほとんどが必ずといっていいほど訪れる観光スポットの「自由の女神」像を思い浮かべてください。訪れたことのない人でも、写真などで何度も見たことがあると思います。あの像が右手で掲げているのは「松明(たいまつ)」だとすぐわかりますが、では左手に持っているのは何?あの像は誰が何のために作ったの?実は女神像が左手に持っているのはアメリカ合衆国が独立を宣言した日付「1776年7月4日」が刻まれた銘板なのです。1776年、当時のイギリス植民地の人々は、「万人の自由と平等を確立する」という建国の理念を掲げて、イギリスからの独立を宣言しました。そしてあの「自由の女神」像は、1886年、アメリカ合衆国の独立100周年を祝って、友情のしるしとしてフランスからプレゼントされたものなんですよ。こんなふうに私たちが特別に意識せず、ある意味で当たり前のように感じているアメリカ文化も、いろいろと調べていくと興味深いことがたくさんありますね。

 宮城学院女子大学の英文学科では、学生の皆さんが自分自身の生活の中で関心をもったり、疑問に感じたりするアメリカ文化について深く研究することができます。ここでは私が担当する授業の内容を簡単にご紹介しましょう。たとえば2年次の「アメリカ文化史」という科目では、文献のほかにも映像や音声など様々な資料を用いてアメリカ合衆国の文化や社会を歴史的な視点からとらえます。3年生の「基礎セミナー」では、受講者各自が興味を持つテーマをリサーチし、年度末に英文レポートを作成します。そしていよいよ4年生になると、「卒業研究セミナー」で4年間の集大成である卒業論文に取り組みます。「文化」は人間の営みがかかわるすべての事柄を含みますから、当然卒論のテーマは多岐にわたります。たとえば、「食習慣から見る日米の健康意識」、「ディズニー映画における女性像の変遷」、「アメリカの環境保護運動」、「アメリカ映画のヒーローと愛国心」、「アメリカとヨーロッパの魔女事件の違い」、「ベトナム戦争帰還兵の後遺症」、「21世紀のアメリカ移民政策の変遷」、「シアトル生まれのコーヒー会社の世界戦略」など、学生の皆さんが選択するテーマは実に様々ですが、どれもみなアメリカ文化や社会の特徴をよく表すものばかりです。
 もし皆さんがアメリカ文化研究に関心をお持ちでしたら、宮学の英文学科で私たちと一緒に勉強してみませんか!
 

2018年8月31日 ニューヨーク リバティー・アイランドにて。
今にも雨が降りそうなあいにくのお天気で残念でした。
それでも観光客であふれていました。