リレーエッセイの記事

教員のリレーエッセイ:一般教育部 准教授 松本 周

2021.12.15

 クリスマスおめでとうございます!宮城学院女子大学でキリスト教学・宗教学関係の科目を担当している松本周です。「キリスト教の勉強なんて私たちと関係あるの?」とか「そもそもキリスト教や宗教が学問になるの?」と思った方がいたら、それは大切な問いだと思います。私の受け持つ授業のほとんどは、受講した多くの皆さんが最初に持っているそうした疑問とやりとりをするところから始まります。そして何を隠そう私自身が大学生のころ「そもそもキリスト教や宗教が学問になるの?」と問いを持ったのです。その問いに納得できる答えを探そうと人生を過ごしていて、気づいたらキリスト教学・宗教学の先生になっていました。

 
 クリスマスの季節ですので、それを手掛かりに私の担当するキリスト教学がどんなことをしているのか紹介したいと思います。イエス・キリストの誕生日であるクリスマスは、西欧はじめ日本などでも12月25日として知られています。ところがキリスト教の正典である『聖書』には、イエス・キリストの誕生が書かれた場面はありますが、12月25日という日付は記されていません。「えっ!聖書に書かれていないの!?じゃあなんで12月25日なの?」疑問が湧いてきます。この辺りがキリスト教学の出番です。キリスト教とそれにかかわる社会・文化・歴史などについて調べる中から疑問への答えを探します。

 12月25日というのは北半球でちょうど冬至を過ぎた頃になります。暗い夜が最も長い日を過ぎて、光の時間がもう一度長くなっていく転換のときです。冬至の祭りとしてゲルマン民族などで古代から行われていた風習が、キリスト教行事の中に取り入れられて現在のようなクリスマス祭の原型となりました。「光は暗闇の中で輝いている。」『聖書』がイエス・キリストの到来について語る一節です。闇から光への転換を祝う冬至の祭りと、闇の中へ光として到来したイエス・キリストの誕生という聖書のメッセージが合致したところに12月25日のクリスマスがあります。

 

 キリスト教学の学びを通して、私たちが普段の生活で何気なく接している事柄の中に『聖書』やキリスト教との接点を見出すことが多くあります。それら一つ一つの意味をより深く受け止めることで、私たちの学びや人生はより豊かになっていきます。
 「クリスマスおめでとうございます!」皆さんの日々があたたかな光に包まれたものでありますように祈ります。
 そして皆さんと宮城学院女子大学でお会いし、共に学ぶことができる日を楽しみにしています。

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