附属森のこども園の園だより:9月号のコラム紹介

幼児教育専攻の教員が、リレー方式で担当している附属森のこども園の園だより9月号のコラムを紹介させていただきます。9月号は、平川久美子先生のコラムです。

友だちとの関わりの中で育つ力

子どもは日々の園生活の中で、たくさんの友だちと関わりながら過ごしています。しかし、「友だちの名前があまり聞かれず、友だちと遊べていないのでは」「友だちとけんかばかりしているのでは」と、友だちとの関わりについて心配だと感じることもあるかもしれません。もちろん、子どもは友だちと一緒に遊ぶ中で楽しい気持ちを共有するだけでなく、時にはそれぞれの思いがぶつかって、けんかになったりすることもあります。しかし、そのような経験の一つひとつが、子どもの大切な学びにつながっています。

特に、年齢の低い段階では、自分の思いを伝えることや相手の思いを理解することは、まだまだ難しいです。自分の思い通りにならない場面に出会うと、気持ちが大きく崩れ、時には友だちに手が出てしまったりすることもあるかもしれません。しかし、友だちとのやり取りを繰り返す中で、「自分にも気持ちがあるように、相手にも気持ちがあること」や「順番を待つこと」、「一緒に遊びを楽しむためにはどうしたらよいか」を少しずつ学んでいきます。そして、一緒に遊ぶ経験を積み重ねていく中で、友だちと一緒に過ごす心地良さやおもしろさを感じ、「明日も〇〇ちゃんと遊びたい」と友だちとの関係が深まっていきます。

このように、友だちとのけんかや意見の違いも、子どもが社会性を身につけていく大切な機会です。もちろん大人が子どもの声に丁寧に耳を傾け、子どもの思いを受け止めることや、子ども同士の関わりを支えることは必要ですが、自分なりに考えたり、相手との折り合いをつけたりする経験を重ねることで、子どもたちは大きく成長していきます。家庭でも「どんなことをして遊んだの?」「今日は何が楽しかった?」など、ぜひお子さんの話に耳を傾けてみてください。大好きな大人と一緒に園での経験や友だちとの関わりについて振り返る時間が、子どもの学びをさらに深めることにつながります。

宮城学院女子大学教育学部  教育学科 幼児教育専攻 准教授 平川久美子