幼児教育専攻の教員が、リレー方式で担当している附属森のこども園の園だより8月号のコラムを紹介させていただきます。8月号は、尾形良子先生のコラムです。
これ、児童虐待かなと思ったら
これまでに教育に二十年ほど携わって来た中で、保護者からの虐待により児童養護施設から進学して来た方や、誰にも発見されず、通報してももらえずに加害親とずっと暮らして来た学生さんたちと何回も出会いました。「誰も通報してくれない」「助けてもらえなかった」という気持ちを秘めながら大人になる元・子どもたちが存在しています。
虐待かなと思っても、通報をためらう気持ちはよく分かります。「虐待でなかったらどうしよう」と通告することを躊躇する気持ちや、「恨まれたり、責任を問われるのではないか」と通告後の事態への危惧感から不安な心理状態で通告してくることが多いといわれます。
実際には子ども本人や虐待を行っている保護者からの相談と、近隣等個人や関係機関等からの口頭などによる通告のほか、匿名でも通報できます。平成16 年児童虐待防止法改正法により、通告の対象が「児童虐待を受けた児童」から「児童虐待を受けたと思われる児童」に拡大されました。これにより虐待の事実が必ずしも明らかでなくても、一般の人の目から見れば主観的に児童虐待があったと思うであろうという場合であれば、通告義務が生じることとなりました。
あなたの一報で子どもの辛い生活が向上し、一人の大人として健やかに生きていくことができるかもしれません。私の主観ですが、どこかで大人や社会の心配を受けて対応してくれたという想いは、その子どもの人生にとって重要なことのように感じています。周りに心配なお子さんはいませんか。
宮城学院女子大学教育学部 教授 尾形 良子
