2026年7月4日(土)、幼児教育専攻の専門演習Ⅰでは、石巻地区を訪問し、「東日本大震災に学ぶ防災教育研修」を実施しました。今回の研修には学生38名が参加し、震災遺構の見学、講話、グループワーク、門脇小学校周辺のフィールドワークを通して、災害時に保育者に求められる判断力や危機管理について学びました。
午前中は、震災遺構・門脇小学校を見学しました。津波と火災の被害を受けた校舎を前に、学生たちは、災害を「過去の出来事」としてではなく、子どもの命を預かる保育者として自分自身に関わる課題として受け止めました。建物に残された被害の痕跡、周辺の地形、避難経路の説明を通して、災害時には一瞬の判断が子どもたちの安全を左右することを学びました。
その後、石巻市水産総合センターに移動し、「東日本大震災を振り返って防災教育を考える」をテーマに講話とグループワークを行いました。2022年度本学卒業生の阿部明日香さん、石巻市立門脇小学校元校長の鈴木洋子先生から、当時の状況や震災後の教育・地域の歩みについてお話を伺いました。学生たちは、災害時の避難行動だけでなく、日頃からの備え、職員間の連携、子どもへの伝え方、保護者や地域との関係づくりの重要性について理解を深めました。
グループワークでは、講話と見学から得た学びをもとに、「保育者として何を備えるべきか」「子どもたちに防災をどのように伝えるか」について話し合いました。各グループでは、付箋を用いながら、避難訓練の意味、子どもの不安への配慮、日常の保育の中で防災意識を育てる工夫などが整理されました。発表では、単にマニュアルを守るだけでなく、目の前の子どもたちの状況を見取り、落ち着いて判断できる保育者になることの大切さが共有されました。
午後は、門脇小学校周辺を歩き、献花台で黙とうを捧げた後、門脇保育所跡地を訪問しました。保育施設が災害時に果たす役割、地域の生活再建を支える拠点としての意味について考える時間となりました。
今回の研修を通して、学生たちは、防災教育とは「災害について知ること」にとどまらず、子どもの命を守るために日頃から何を考え、どのように行動するかを学ぶ営みであることを実感しました。
なお、参加学生の中には、4年次の卒業研究で被災地や震災、防災教育をテーマとして取り組んでいる学生もおり、3名が昨年度に続いて2年連続で参加しました。現地を繰り返し訪れることで、災害の記憶の継承や防災教育のあり方について理解を深め、研究と実践を結び付ける貴重な機会となりました。
幼児教育専攻では、今後も、現地での学びを大切にしながら、子どもと地域の安全・安心を支える保育者の養成に取り組んでいきます。





