園だよりを通じた附属森のこども園との連携:11月のコラム紹介

幼児教育専攻の教員が、リレー方式で担当している附属森のこども園の園だより11月号のコラムを紹介させていただきます。11月号は、守渉先生のコラムです。

睡眠の秋

森のこども園の周りの木々の色も赤や黄色へと移り変わり、外遊びやお散歩に行くたびに季節の変化を感じる頃となりました。色とりどりの落ち葉やたくさんの木の実は、子どもたちの宝の山になっているのではないでしょうか。日も短くなり、動物や虫たちが冬眠に向かって準備を進めるように、人間も本能的に起きるのが億劫になったり、動きが鈍くなったりするものだと思います。朝、寒くていつまでもお布団の中にいたいと思う時期です。

この睡眠ですが、人間の一生のおよそ3分の1を占めていると言われており、人生80年時代と言われている状況から考えてみると、約25年以上眠っていることになります。何か無駄をしているようにも思えますが、残りの3分の2の人生を充実させるためにはやはり重要な時間です。特に発達段階の初期にある乳幼児にとってはその重要性が高いと言えます。大人と子どもでは睡眠の役割に違いがあり、大人にとって眠ることは頭と体を休めるためのものですが、子どもにとっては未熟な頭と体を「発達」させるために必要なものです。子どもは睡眠時に日中の様々な刺激や情報を整理しています。また、体を育てる成長ホルモンを分泌しています。成長ホルモンの分泌を高めるには、ぐっすりとよく眠ることが大切です。成長ホルモンが分泌される時間に深い眠りとなるよう、早めに寝て朝は自分で起きるのが子どもにとっての理想の睡眠状態です。健やかな眠りがあってこそ、活発な日常生活が営めます。

子どもの睡眠習慣は大人の生活スタイルを映す鏡と言われています。現代社会においてはなかなかそううまくはいかないのが現実ですが、秋は乱れた睡眠習慣を改善するチャンスです。親子で秋の夜長をゆったりと過ごすことを心がけ、いつもより早めにテレビやゲームを消し、お部屋を暗くするなど寝るための環境を整え、子どもの快眠を支えていきましょう。

宮城学院女子大学教育学部  准教授  守渉

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