シンポジウム「どうする東北の世界遺産―フィールドからの報告―」を開催しました

10月14日(土、大学祭当日)、人間文化学科主催のシンポジウム「どうする東北の世界遺産―フィールドからの報告―」を開催しました。

学科の特色ある学びの1つが本物に触れるフィールド実習、そして世界遺産教育です。2023年度の国内フィールド実習では「北東北の歴史文化遺産をめぐる」をテーマに、三内丸山遺跡(世界文化遺産)やなまはげ館を訪れました(9月1日および9月4日のホームページ記事を参照)。ただ単に観光するのではなく、参加者それぞれが問題意識を持ち、現場体験を通して東北の世界遺産の魅力は何か、またこれから発展していくために必要なことは何かを考えました。シンポジウムは、その成果発表と学科教員の講演をもとに、今後の東北の世界遺産について理解を共有し、考えを深めることを目的としました。当日のプログラムは以下の通りです。

人間文化学科では、これからも国内外でフィールド実習を開催し、机上の勉強と実体験を合わせて歴史や文化の学びを深めることを目指します。

<どうする東北の世界遺産―フィールドからの報告―>

実習参加者(1年生)の成果発表
小玉莉菜「三内丸山遺跡~世界遺産としてあるべき姿~」
北田一華「伊勢堂岱遺跡~地域に根付いた世界遺産~」
阿部良美「なまはげ~無形文化遺産を守るために~」
佐藤萌花「なまはげの課題と次世代への継承について」
安齋千桜都「全体を通して学んだこと」
三浦咲希「全体を通して」
~質疑応答~

大平聡特任教授の講演
「北東北の縄文時代世界遺産と私」
~質疑応答~

<シンポジウムに参加した学科学生の感想>

・発表では、全体的に今問題となっている世界遺産の保護と人類共通の財産としての役割のバランスをどのようにしていくべきかについて考えていて、興味深かった。

・本やインターネットで検索するだけではなく、実際に現地に見学しに行くことでより学ぶことがあると思った。

・世界遺産に登録されることで、観光地として人が集まることは良いことだと考えていたけれど、オーバーツーリズムのように悪影響もあるのだと知ることができ、世界遺産を見る機会を増やすことと観光客数とのバランスが大事にすべき点だと思いました。

・なまはげに関してネガティブな印象は持っていなかったが、子どものトラウマなど、初めて知る内容もあり、ショックを受けた。こうした現代の価値観と伝統的価値観のすれ違いも、人々と世界遺産との共生を難しくさせていると思った。

・世界遺産はとても綺麗なもので歴史があり、尊いものだと思っていましたが、大平先生の講演を聞いてみて、裏の大変さと、場所や物が丁寧に扱われずに壊れてしまうことがあると知り、驚きを感じました。

・先生から、「大きな遺跡があるのは大きな集落やたくさんの人がいて、食糧が豊富だったからだ」と聞き、日本史の勉強をしていると東北はあまり豊かなイメージを持てなかったが、それは違うと思い直し、自分で詳しく東北の歴史を調べてみたいと思った。