人間文化学科 国内フィールド実習を実施しました (後編)

<第3日 8月24日>
秋田からJR線で男鹿へ向かい、無形文化遺産の”なまはげ”の関連施設を見学しました。「なまはげ館」では、”なまはげ”の由来やしきたりについて説明を受けました。皆同じように見えて、地域ごとにお面が異なることなど、展示を見て学ぶことも多くありました。なまはげ館に隣接する「伝承館」では、男鹿の”なまはげ”の実演を体験しました。テレビの映像ではわからない”なまはげ”と訪問先の人々との具体的なやりとりを見ることができました。
見学後は秋田市内に戻り、古代の秋田城跡を見学しました。

男鹿市・なまはげ館(左から2枚)と伝承館での"なまはげ"実演(右)

<第4日 8月25日>
実習最終日は、新幹線で秋田から仙北市角館町に向かいました。角館は「みちのくの小京都」と呼ばれ、古い町並みが残っています。この日は、明治時代の面影を残す町屋敷と江戸時代に建てられた武家屋敷(重要伝統的建造物群保存地区)をゆっくりと見学しました。ただ歩くだけでは単なる観光ですので、なぜ角館には現在まで古い町並みが残っているのか、町屋敷と武家屋敷の違いと特徴は何か、といった問題の答えを探りながら町内をめぐりました。

探訪を終え、新幹線で仙台に戻りました。行く先々で体温を超える暑さとなりましたが、全日程を無事に終えることができました。

仙北市・角館の町屋敷(左)と武家屋敷(右から2枚)

今回の実習に先立ち、5月から参加メンバーで勉強会を行い、世界遺産や東北の歴史文化遺産について事前に情報を入手しました。また、単に遺産そのものについて学ぶだけでなく、そこにどのような旅行者が来ているか、周辺にどのような施設があるか、PRがどのように行われているか、周辺住民との関係はどのようなものか、といった遺産周辺の状況にも目配りすることを事前に打ち合わせして、実習に臨みました。現場体験を通して得られた学びの成果は、10月14日(土)にシンポジウム「どうする東北の世界遺産~フィールドからの報告~」を開催して、報告する予定です。

今回の有意義な体験が、これからの学科での学びに活かされることを期待しています。(終わり/実習引率者・高橋陽一記)

 

<参加者の感想>

三浦 咲希さん(1年)
事前に学んでから行ってから現地での体験を積んだことで、より良い経験ができたと思います。また、世界遺産を訪れる観光客という目線を大事にすることで、多くのことが見えてきたように思います。

阿部 良美さん(1年)
一番印象に残っているのはなまはげ館です。なまはげの実演を見たのが印象に残っています。「なまはげ」という小惑星があることもはじめて知りました。また参加したいです。

佐藤 萌花さん(1年)
実物を見て教科書ではわからないことを見つけることができました。一番良かったのはなまはげ館で、なまはげのお面を見て、秋田全体で統一されているわけではないことや、それが鬼ではないことがわかり、実際に見ることで良い経験ができました。

下山 千晴さん(大学院1年)
東北の歴史を学ぶことができたのはもちろん、そこに隠れている問題点や課題を現地に行くことで学ぶことができました。(それを解決するために)自分にできることはないか、考えていきたいと思いました。