8月22日(火)~25日(金)まで、人間文化学科の2023年度国内フィールド実習が行われました。今年度の実習のテーマは、「北東北の歴史文化遺産をめぐる」です。世界文化遺産の北海道・北東北の縄文遺跡群に含まれる遺跡や、無形文化遺産である”なまはげ”の関連施設を訪れ、その魅力を現場で体感すると同時に問題点も探り、今後の歴史文化遺産のあり方について現場体験を通じて考えることを目的としました。参加者は1年生6名と大学院生1名の計7名でした。
<第1日 8月22日>
仙台から新幹線で青森へ向かい、三内丸山遺跡(世界文化遺産)を見学しました。復元された約5,000年前の縄文時代の巨大な竪穴建物や掘立柱建物のほか、土坑墓、土器・石器などの多数の出土品をじっくり観察しました。遺跡には縄文時遊館という展示・観光施設が付設されていて、出土品の収蔵庫が見学できたり、石器作りの体験やグッズの購入もできるようになっていて、さまざまな方法で遺跡めぐりを楽しめるようになっていました。見学者の中には外国人の姿も見られました。
世界文化遺産の青森市・三内(さんない)丸山遺跡(上2枚と左下)と縄文時遊館(右下)
<第2日 8月23日>
秋田県北秋田市の伊勢堂岱遺跡(世界文化遺産)を見学しました。秋田内陸縦貫鉄道の縄文小ケ田駅で下車し、徒歩約10分で到着です。伊勢堂岱遺跡は縄文時代後期の約4,000年前の遺跡で、国内で唯一の4つの環状列石(ストーンサークル)が発見されたことで知られています。それぞれを巡回見学した後、伊勢堂岱縄文館に立ち寄り、環状列石を作った理由やそれが未完成なままである理由など、遺跡をめぐる謎について映像解説や展示で学びました。
見学後は秋田内陸縦貫鉄道とJRを乗り継いで秋田市に移動し、夕方は千秋公園を散策しました。
(後編につづく)
世界文化遺産の北秋田市・伊勢堂岱(いせどうたい)遺跡
<参加者の感想>
小玉 莉菜さん(1年)
どこの場所に行っても教科書ではわからないことがありました。遺跡や建物の大きさは自分の目で見ないとわからないということが再確認でき、良い経験になりました。
北田 一華さん(1年)
今回の実習を通して、自分が学びたい日本古代史について見聞を深めることができました。一番印象に残っているのが三内丸山遺跡で、出土品の展示の方法などを見て、みんなに楽しんでもらえる展示を自分も作ってみたいと思いました。
安齋 千桜都さん(1年)
遺跡を実際に見て、竪穴住居の中に入ると100人どころか、もっと多くの人が入れるのではないかと思いました。伊勢堂岱遺跡に行く途中にはクイズや間違い探しなどの看板があって、来る人を飽きさせない工夫がされていると思いました。