【学生インタビュー】音楽科の学生が「第60回 全東北ピアノコンクール」で奨励賞を受賞

いつの時代も聴く人の心を魅了するピアノの音色。演奏家が紡ぎ出すその豊かな調べからは、言葉では伝わらない「情熱」や「思い」を感じ取ることができます。今回は、6月中旬に仙台市内で開催された「第60回 全東北ピアノコンクール」で、見事奨励賞を受賞した本学の学生・猪狩綾さんに話をうかがいました。

第60回 全東北ピアノコンクール 東北放送奨励賞
猪狩 綾さん(音楽科3年)

 

「過去2年のリベンヂを!」その思いを胸に臨んだ 今回のコンクール

■コンクールに参加したきっかけは?

猪狩:実は昨年、一昨年と(このコンクールに)参加していました。しかし、2年連続で予選敗退。本選には進めず、非常に悔しい思いをしました。それもあって「今年は勝負の年!過去2年のリベンヂを!」という強い決意を胸に、今回のコンクールに臨みました。

 

■コンクールに臨むにあたり、心がけていたことは?

猪狩:コンクール当日までは、細かい部分を確認しながら「丁寧に弾くこと」を心がけました。1日の最後には、本番をイメージしながら弾いたりもしましたね。それ以外には、先生や友人に演奏を聞いてもらったり、いろいろな種類のピアノで練習したり、できることは可能な限りやりました。

 

■今回は、見事に本選へ。予選と本選での心境の違いは?

猪狩:予選では、自分の演奏を聞きながら、冷静に弾くことができました。弾き慣れた曲で余裕もありましたし、演奏順も最後から2番目でリラックスもできましたし。今思えば、これが予選突破の要因だったのかもしれません。一方で(予選突破後)本選までは少し間が空いたのですが、なかなか気持ちが入らなくて。元々「スロースターター」なので、先生からはよくハッパをかけられました(笑)これは次回以降への改善点ですね。

 

今回感じた“精神面での成長”は 受賞に勝るとも劣らない大きな収穫

■受賞した瞬間の感想は?

猪狩:本選での演奏を振り返ると、ミスタッチが多くありました。それでも過去の悔しさから「後悔しないような演奏を!」と自分自身に言い聞かせて、気持ちを込めて演奏できたので、ある程度の「手応え」は感じていました。過去のコンクールでは「緊張感」ばかりが先行し、自分らしい演奏ができませんでしたが、今回はこれまでのような緊張感ではなく、「適度な高揚感」を保ちつつ演奏することができました。こういう精神面での成長は、私にとって大きな収穫。受賞と同じくらい、うれしいことでしたね。

 

 

■これからの目標は?

猪狩:「基本をおろそかにせず、コツコツと練習に励むこと」ですね。もっと高いレベルで演奏するため、現在、自分の悪い癖などを改善中なのですが、いい意味での“脱力感”を持って弾けたら、さらに良い演奏ができるはずです。余計な力が入ってしまうと、腕を痛める原因にもなりかねませんから。ピアノの演奏って「ここまでできたら完成!」というゴールがないものなので、これからも自分の気持ちに正直な演奏をしていきたいですね!