私たち市野澤ゼミは、7月6~7日に大阪の阪南大学で行われた観光学術学会の研究大会に参加しました。
1日目は、「観光とヘリテージの相互作用は何を生み出すのか」をテーマとしたシンポジウムと、全国の学生たちが調査や研究の結果を発表する学生ポスターセッションが行われました。シンポジウムでは、ヘリテージと呼ばれる遺産について、4名の先生方が研究をした内容を述べました。発表では、保存して後世に残すべきであるヘリテージを観光対象として捉える観光化には、どういった影響があるのかについて学ぶことができました。ヘリテージの観光化には、商品化への悪影響やむやみな増殖、オーバーツーリズム等が生じる可能性があることを知り、観光という価値付与の一方で多くの問題を孕む複雑性を理解しました。
学生ポスターセッションでは、自ら問いを見いだした研究発表もあれば、調査実習など授業の一環としてある程度決められたテーマに沿って問いを見つけ調査した発表もありました。ポスターセッションの多様な発表を聞かせていただいたことで、現代の観光は1つの事象やテーマでは研究することはできず、様々な視点で物事を客観視し、データや実例を用いて詳しく分析することでより個性的で斬新な視点の研究を行うことができることを、学ぶことができました。拝聴したポスターセッションはどれもとても興味深く、私たちと同じ学生がこのような場面で発表を行えるほど詳しい研究を行っていることに、とても刺激を受けました。また、自分もあのような詳しい研究ができるようになりたいと考えました。今回のポスターセッションを通じて、さらに観光学に関する知識をさらに深めることができたと思います。セッションを通して学ぶ事ができる貴重な機会に参加できてうれしく思いました。来年は是非私たちが発表する側となって学会に参加していきたいです。
2日目は、一般研究発表とテーマセッションが行われました。私たちは、多くの研究発表が並ぶ中から興味のある発表を選んで聞きに行きました。発表の内容は、海外の観光事情や日本の観光地についての研究、さらには新型コロナウイルスやAIの脅威といった社会問題にまで言及しているものなど、多岐にわたりました。ただ、内容が難しいものも多く、現在の知識量では理解できない研究もあったため、観光についての学習をより深めていきたいと考えます。特に、聞き慣れない学術的な専門頭語が多用された発表では、話を聞いていて迷ってしまうことが多々あったので、そのように理解度が足りない点は改めて調べて、内容の理解に努めます。
学生のテーマセッションも教員の皆様の発表も、一人ひとりが観光を様々な角度から考察しており、聴講していて大変興味深かったです。ビジネスを学んでいる私たちは、どうしても集客や利益に目が行きがちですが、「観光」に対する多方面からのアプローチの重要性を学びました。観光学術学会への参加を通して、先生方のハイレベルな研究を体感し、卒論への意欲が湧いてテーマ設定のヒントをいただくことができました。さらに興味がわいた一般研究発表もいくつかあったので、その配布資料はよく見返して、気になる点やさらに詳しく知りたいことは積極的に知識として身に着けます。そして今回学んだ様々な観光の知識はゼミでの座学や研究、卒業論文に活かしていきたいです。
観光学術学会は、他大学の観光学の教員に加え、観光学を専攻している学生が集うので、情報や意見交換ができたり、最新の知識が得られたりして、とても刺激的で貴重な機会でした。観光学術学会を主催してくださった関係者の皆様には心より感謝を申し上げます。
(現代ビジネス学科2年:浦松さくら、大野夏芽、佐々木唯、濱田真優、田島菜央、畠山蓮、三浦笑加 3年:佐藤菜々、原田朱峰)