秋田県では、県内全域で赤飯に「てんこ小豆」と呼ばれる豆が伝統的に使用されています。この豆は「小豆」という名称が付いていても正式には「黒ささげ」です。秋田県の赤飯に「黒ささげ」が使用されるようになった背景には、「祝いの食」として皮割れ(胴割れ)を避けるということが関係しているようです。
しかし、「てんこ小豆」は栽培に手間がかかることから、近年では生産量が減少しており、産直施設などで販売されているものの、必要なときに入手することができないというケースも見られます。
このような状況に鑑み、現代ビジネス学科の石原ゼミナールでは、昨年度より「てんこ小豆」の生産や流通状況に関する調査を実施するとともに、この豆を伝承するための方策について検討してきました。そして、秋田県内の事業者や住民の方々と情報を共有し、「てんこ小豆」を伝承するためのプロジェクト(秋田てんこ小豆伝承プロジェクト)を推進していくことになりました。
今年度は、秋田県横手市増田地区の圃場で試験栽培に取り組むことになり、プロジェクトのメンバーとともに研修を兼ねた生産活動を行っていく予定です。
6月3日・4日に開催された播種会では、秋田市で豆類卸売業を営む有限会社鈴和商店の鈴木昌幸取締役専務のご指導の下、プロジェクトのメンバーが「てんこ小豆」の種を蒔きました。今後、「てんこ小豆」は10日前後で発芽し、収穫期となる8月下旬から9月中旬にかけて成長していきます。
※播種会の模様はNHK NEWS WEBでご覧いただけます。
生産者減少 大学と農家が連携し「てんこ小豆」栽培に取り組む
プロジェクトでは、今年度の試験栽培を通して「てんこ小豆」を伝承していく意義について学習するとともに、安定的に生産するための取り組みについて検討していく予定です。また、収穫後は、様々な料理やお菓子への活用策について考えていく予定です。