地域の高齢の方から“私の思い出の食べ物”を聴く集いについて
食品栄養学科4年 伊藤 翠
私たち食品栄養学科の学生が桜ヶ丘在住のご高齢の方々(概ね70歳以上)から、「今までの人生で思い出の食べ物」をテーマにお話を伺う世代間交流活動を行っています。この活動は、ご高齢の方々が過去を回想して自分を語り、若い世代に話して伝えることで達成感や自己効力感をもっていただき、地域で暮らす元気高齢者のQOL(生活の質)の向上につなげていくことを目的として実施しています。
具体的な活動内容としては、桜ヶ丘各町内会の集会所等(8ヶ所)にて、1回あたり2名程度の方に私たちが思い出深い食べ物と当時の思い出等を傾聴し、時々、質問も取り入れながら聞き取りを進めています。また、聞き取りが全て終了する7月末には、大学の調理室にて、実際にお話しに出てきた料理等の作り方を教えて頂きながら学生と共に料理を再現する活動も計画しています。
お話をいただいた方々の年齢は70~90代で、出身地域も宮城県内のみならず北海道、青森、岩手等と多様でした。そのため、戦前、戦中、戦後の暮らしと食事情や、地域の食文化について幅広くお話をお聞きすることができました。今と比べて物がない時代でも、自給自足で物を無駄にせずに使う工夫の詰まった暮らしぶりに、私たち若年世代は先人たちの生きるパワーを感じました。
また、みなさん子どもの頃のエピソードを鮮明に覚えていらっしゃって、当時の思い出には嬉しかった思いや大変だった思いが色濃く残っていることが分かりました。さらに、話を進めながら、「そうそう、あれ美味しかったよね~」とか「嬉しかったなあ~」と表情豊かに話してくださったり、「久しぶりに若い人たちと話をして楽しかった」と言ってくださると私たちも嬉しくなります。そのような笑顔をもっと引き出せるよう頑張っていきたいです。