『キャリアアップセミナー~女性としての生き方を問い、未来を展望しよう~』では、様々な分野で活躍する女性達をゲストにお招きし、その仕事と人生についてお話をうかがっています。それぞれの学生が自分の専攻や専門分野を問わず幅広いロールモデルに学ぶことで、生き方・働き方についての視野を広げることが目的です。
2025年度第5回を7月7日に開催。株式会社 関・空間設計企画部リーダー宮腰 紀子氏をお招きし、「建築設計・働き方改革・それぞれの未来」をテーマにご講演いただきました。
宮腰氏は5回の転職を経て2011年4月東日本大震災直後に現職に入社。それまでは教育、研究機関からメディアまで様々な職種・雇用形態を経験。震災復興業務に追われ疲弊する社員のケアに取り組まれたものの成果は現れず。そこで2016年仙台女性リーダートレーニングプログラムを受講。同プログラムを受講した同僚とともに全社を巻き込み業務改善・働き方改革に着手され、2019年仙台四方よし企業大賞優秀賞受賞、2021宮城県女性のチカラを活かす企業認証につなげられました。
『社員が対話する場を定期的に持ち続けたことで、互いに認め合う関係性の構築が出来た。それが私たち独自の組織風土・文化として定着し、若い世代が更にアップデートしていく姿が何より嬉しく思う。』
声を発し行動を続ける重要性を感じ「仙台働く女性のネットワークRady-Lady」でも活動され、昨年からは、宮城県男女共同参画審議会委員も務められています。副業はビジネスコーチング。
当日は、ご経歴や現在の職場での取り組みについて、また、職場における女性としての理想と現実についてなど、これまでのご経験を交えてのお話しに集まった学生たちが耳を傾けます。
モットーは「経験こそ財産」
その瞬間で、瞬間で最善を考え抜いて選んできたわたしの人生、最大の財産はこの経験です!
たとえうまく行かなかったとしても、そのプロセスが大事。決して驕ることなく、周りにいる人のお陰でできてきたことを感謝し、過信しないことも大切です。
Well-Being
自分自身の心と身体の状態に意識を向けることが必要。何が満たされると自分にとって良い状態なのかは、その時々により変化するため、常に自身に問い続けることが大事。愚痴を言って終わることも、それを見ないようにすることもあるでしょう。でも、その答えを出すために、前へ、前へ、また時々戻りながら進むこと。そのチャレンジがきっと財産になっていきます。
宮腰氏からの熱いメッセージで講演が締め括られました。
<参加学生のレポートより抜粋>
・仕事の経験から自分が得るものが理想と現実で大きく違ってしまうという事実と、男女によって仕事の差があるという事実など、働き方への課題について知った。自分がこれから働く所の調査の大切さを感じ、現代のジェンダー問題を知る必要があると思った。また、「女性の幸せ」とは何かを深く考えることができた。
・理想と現実の違いがあったことや立場に関わらず発言の機会がある組織は面白く、働く人の意識が全然違うことなどを経験しているからこそ考えることができるということがわかりました。
・今回のセミナーで、対話と実行力の大切さを学んだ。課題を見つけても誰かがやるだろうというスタンスでは何も変わらない。この先、そういった課題にぶつかることはどんな職種を選んだとしてもあることだと思う。そんな時、自分が動けるか、動けなくても誰かと話せるかということを大切にしていきたいと思った。
・私は、やるべきことは他人に任せるよりも自分がやった方が一番信頼出来ると思ってしまう癖がある。しかし、それで色々と抱え込んで失敗するよりは、誰かに助けてもらいながら良い人間関係を築いていきたいと思った。
・価値観の変化は成長だという言葉が記憶に残りました。変化する価値観の中で自分ができることを考え、問い続けることが大切なのだと考えることができました。自分も将来、チームのためにできることを考え、積極的に行動したいです。
・宮腰さんの言葉には、女性として働く中で感じる違和感や葛藤、そしてそこから生まれる強さが詰まっていました。「女性がいると場が和む」といった固定観念や、「結婚=幸せ」という押しつけに対する違和感には深く共感します。組織の中で立場に関わらず声が届くことの大切さ、自分の人生を自分で選ぶことの尊さを改めて考えさせられました。この先人生の選択をしていくにあたって、宮腰さんの「今の自分にとって本当に大切なことは何か?」という問いを参考にしていきたいと思います。
・リーダーシップは育ち育てられるもの。という言葉はとても響きました。小学生までは前に出ることが好きでリーダーになりたい!っという意欲がありましたが、年齢が高くなるにつれその意欲は減ってきてしまいました。これからその意欲が減らないように、育ち育てられるもの。という言葉を胸に何事にも積極的に取り組もうと思います。
・今回のお話を聞いて、普段の生活で活かすことができると感じました。小さなことでも何かきっかけを作ることによって、少しでも作業効率が良くなるだけでなく、人間関係が良好になり、本音を言ってもいいのだという関係性を作ることができ、それによって良いスパイラルを築くことができるのではないかと思います。
・宮腰さんのように、私もかつてジェンダーギャップに悩んだことがあるが、仕方ない、で済ましてしまっていた。しかし、仕方ないで済ましてしまうと価値観を変化させることはできない。宮腰さんのお話から、ささいなことに関してでも居場所があることが、やりがいにつながると学んだ。
・私はどちらかというとネガティブな性格で、何事もマイナスに考えてしまい、幸せを逃してしまっているような気がしていましたが、ポジティブな幸せの4つの因子が心に凄く響きました。とにかくやってみよう、ありのままでいよう、なんとかなる、ありがとうの気持ちを忘れずにいようと思いました。