毎年、学生達に多くの学びを提供してくれる「キャリアアップセミナー」。今年度は、特別編1回を含む全9回を予定しています。

第5回　キャリアアップセミナー

講師：岩手開発産業株式会社　地域共創事業部　プロジェクトマネージャー　中村純代氏

第5回キャリアアップセミナーは岩手開発産業株式会社　地域共創事業部　プロジェクトマネージャー　中村純代さんのご講演です。後期第一回目9/25（月）に本学大学講堂で開催しました。

中村さんは九州のご出身ですが、まさにジェットコースターのような激動の人生をご紹介くださいました。ご自身では「しくじり先生」と表現なさっていらっしゃいましたが、直感で自分が「進みたい」と思った道に臆することなく飛び込む姿は、まるでNHKの朝ドラのヒロインを見ているようでした。

大学時代はインド開発経済学を専攻し、インドスラム街におけるインフォーマルエコノミーをテーマに研究をなさった中村さん。卒業式のにこやかな袴姿もご紹介くださいましたが、この時ちょうどバブル経済崩壊や就職氷河期にもあたり、卒業式の日は就職が決まっていなかったそうです。

やっと決まった銀座の画廊での企画営業のお仕事は、百貨店での美術催事も手がけ、やりがいのある日々、しかし百貨店催事専門の企画会社に転職した矢先、会社が倒産。それでも決まっていた催事はやり遂げなければならず周りに助けられて何とかやり遂げたお話をしてくださいました。

その後、実家に帰って勤めた美術館でのアルバイト、再び上京し、画廊や、派遣スタッフなどを経て、最終的には派遣スタッフから正社員登用された外資系投資金融会社に4年間勤務することになります。その会社をリーマンショックを機に早期退職、英国への移住を決めますが、渡航直前に東日本大震災が発生。渡英したものの現地で保育士へ進路変更したことにより、ビザ手続きに時間がかかったことから留学を延期し、その間にボランティアとして訪れたのが現在の拠点である岩手県大船渡市でした。

最初は次の留学までの一時的な滞在だと思っていらっしゃった中村さん。しかし住み始めた大船渡に魅力を感じ、そのまま移住を決め、2011年のボランティアからNPO団体、その後勤めたまちづくり会社での経験を活かし、現在は大船渡の魅力を発信し、多くの方に訪れていただけるように、地元の旅行会社の、新規に立ち上がった地域旅行部門にて、様々なツアーを日々企画運営されていらっしゃいます。

一見、遠回りしたように見える人生でも、ピンチの際に知力を尽くして事を成し遂げてきた経験が、今本当に活きているとおっしゃっていました。

【学生の声】

・中村さんの多様な経験が、地方の発展に新たな視点や考え方をもたらし、地域の魅力を引き立てるのに役立っていると考えました。転職を通じて、彼女の才能が新たな分野で発揮されているように感じました。中村さんは地方創生の活動の中で、子どもたちを元気づける活動を特にしていますが、子どもたちは地域の未来に必要な存在であるため、子どもたちを元気づけることは、地域の成長と活性化に密接に結びつくことだと考えました。中村さんのように自分の価値観を大切にしつつ、新しいことに挑戦し、自分自身の変化を楽しむことでこれからの人生を充実したものにしていきたいと思いました。（人間文化学科2年生）

・最後にお話ししていた「楽しい人生の旅に出るために」の言葉が印象的でした。私は周りと違うことや元々と違うものになることに対してマイナスな印象を抱いています。ですが、今日の講演を聞いて違うことはおかしい、間違っていることではないと言うことを強く感じました。どんな決断も人任せにして受動的に行っていては自分のためにならないと思うので、自分から主体的に選択して、その選択で失敗したとしても次に活かせるようにしていきたいと思いました。（日本文学科1年生）

・歴史的背景を交えながら人生を説明してくださってより深く中村さんの壮絶なジェットコースターの人生を知ることができて心が熱くなりました。そして、冒頭の「生きていれば何とかなります！」とおっしゃっていたこと心を奪われました。自分が生きていくために、人生を楽しく生きるためには1人ではできないということも考えさせられました。いろんなことにチャレンジして人脈の輪を広げて交流していく姿、功績を詳しく知ることができてよかったです。そして今まで生きてきた人生の中の学んできたことを活かし、自分自身を変える勇気をもつことも知りました。（心理行動科学科1年生）

本講座は、前期5回と後期4回、月曜日16:20～17:50に、本学大学講堂にて公開講座として開講いたします。興味を持たれた方はどなたでもお気軽にお問い合わせください。

＜問合せ先＞
キャリア支援課
022-279-4957／career-c（アットマーク）mgu.ac.jp