12月2日(月)5校時の時間帯に、心理行動科学科主催のキャリア支援講演会「女性法務教官のお仕事」を開催しました。
このキャリア支援講演会は、実社会で活躍なさっている方々をゲストスピーカーとして招聘することで、卒業後の進路を見定め、一層充実した学生生活を送るために企画されております。
今年度は、「今までに聞いたことのない、女性が活躍できる司法関係の仕事についての話を聞きたい」という学生たちからの要望に基づき、第1弾は、宮城県警察による女性警察職員の講演を開催し、第2弾として女性法務教官のゲストをお招きして「女性警察職員のキャリア形成」に焦点を当てた講演会を企画しました。
ゲストは、
- 青葉女子学園首席専門官 平間 佳子 法務教官
です。
平間首席からは「女性法務教官の業務及びやりがい」と題し御講演いただきました。
少年院である青葉女子学園等での仕事のお話はもちろんのこと、大学卒業後から法務教官を目指したきっかけや、家庭との両立のための職場サポートなど、ライフ・キャリアの視点からも女子学生にとって参考になるお話でした。
講演終了後においては、学生から
「様々な職場で法務教官や管理職として継続していくための心構えについて教えて下さい。」
と現場で働くことへの不安について質問があり、これに対して平間首席から
「チームで悩みや方針を考えていくため、困ったときは仲間に話していくことです。」
と対人援助職として陥りやすい孤立化の防止の大切さを御教示いただきました。
また、今後の非行研究で悩んでいる学生からは非行少年の特徴に関する質問を受け、
「たくさん体も心も傷ついている少年であるものの、その分、「人へのやさしさ」をたくさん持っています。」
という少年と寝食を共にしているからこそ見えてくる真の姿を丁寧に御教示いただき、学生は今まで抱いていた非行少年のイメージと異なることを痛感したとのことで、講演時間も延長してしまうほどでした。
ここで、参加した学生の感想をいくつかご紹介します。
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- 少年院だけではなく、重刑務所で女性が働いていることに驚き、性別にとらわれずに働くことは素敵なことだと改めて感じました。また、加害者だけではなく、被害者のことも考えながら仕事をしていることを知り、大変な仕事だと思いましたが、その分やりがいもたくさんあると考えました。
- 女性として法務教官として子どもを育てながら男社会であった時代の中で生き抜き、首席専門官まで昇任なされたことがかっこいいなと思いました。
- 「悪いことをしたら終わりじゃない」という言葉が印象的でした。法を犯した人のその後を誰かが支えなければならないことに気づかされ、法務教官は欠かせない存在であり、魅力のある職業であると感じました。------
以上のように、本講演会を通して、学生一人一人が女性としてのキャリア形成について考え、将来を展望する機会を得ることができました。改めまして、御講演いただいた平間首席そして御協力いただい青葉女子学園に感謝申し上げます。なお、本キャリア支援講演会においては、引き続き学生の声に耳を傾け、学生の関心のあるテーマを学生と共に検討し、実現していきたいと思います。(浅野晴哉記)
学生からの質疑の様子