新入生の皆さん ご入学、おめでとうございます。
皆さんの入学を、宮城学院女子大学の教職員一同、心からお祝いし、歓迎いたします。
また、保護者のみなさまにはお子様のご入学おめでとうございます。ご来賓の方々にも、ご列席賜りましたことをお礼申し上げます。
新入生の皆さんは、今、大学生活のスタートを切ろうとしています。この入学式の後にはクラス担任との懇談があり、来週はガイダンスやオリエンテーションが行われます。これらを通して大学生活について必要なことを知ることができますが、新しい生活には期待と不安が伴います。おそらく皆さんも、わくわくした期待とどきどきする不安とが入り交じった気持ちでしょう。
まず大切なことは宮城学院女子大学での学びと生活に慣れることです。たとえば、大学の授業は90分で1コマですから、大学院ご入学の方は別にして、高校までの授業に比べ、かなり長いと感じることでしょう。授業に集中するにもはじめは大変かも知れません。また大学では問題や課題を自分で見つけ、それに対して自分で考え、答えを探っていくこと、つまり学びの主体性が求められます。こうした学びを進めるには基礎的な学力や知識を身につけることも必要です。その他にも、大学生活では始めて体験することが少なくないでしょう。しかし、安心ください。宮城学院女子大学では、分からないこと困ったことがあれば、さまざまな人に相談しアドバイスを受けることができる仕組みが整っています。たとえば学習面では「よろず学修相談室」が設置され、また各学部学科の教務担当やクラス担任が親身に対応する体制となっています。
ここで考えていただきたいのは、宮城学院女子大学での学びが何を目指しているかということです。学生のみなさんがもっている可能性を最大限に伸ばすこと、その意味で個性的で自分らしい人間になることは学びの重要な目標です。しかし、一人一人の個性はそれぞれ異なるわけですから、各自自分のペースで進めば良いのであり、他の人と比べて一喜一憂する必要はありません。新しい大学生活も、じっくり慣れていただいて問題ないでしょう。では、個性を発揮するために大切なことは何でしょうか。それは他者を尊重し他者と共に生きることです。他者と自分を比べて一喜一憂する必要はありませんが、他者と語り合い、共に生きることは個性を磨く上で不可欠のものです。
実は、他者と共に生きることによって自分らしい人間になること。これは宮城学院の建学の精神とも無関係ではありません。宮城学院の創立は1886年であり、今年は創立140年目に当たります。宮城学院女子大学は、この140年の歴史を持つ福音主義キリスト教・ミッションスクールの一員です。大学で行われる活動は、授業もサークルも、すべて建学の精神に基づいて運営されています。本学では、それを短い言葉でわかりやすく、「愛のある知性を!」と表現しています。大学の学びは知性を身につけること、しかも学生一人ひとりが個性ある仕方で知性を磨くことを目ざします。自分自身を大切にすることが大前提です。がしかし、その際に、他者を尊重し共に生きる心、つまり「愛のある」知性が目標であることを忘れてはなりません。大学での学びを通して個性的な自分をめざし、同時に他者と共に愛において生きること。これが「愛のある知性を」という言葉(タグ・ライン)によって本学が追究している教育の基本姿勢です。
さらに言えば、この建学の精神は、聖書に遡るものです。詳しくは、キリスト教学の授業で、あるいはチャペルを通して、説明されることになりますが、「愛のある知性」とは、聖書の根本精神とも言える「神を愛する神への愛」と「他者と共に生きる隣人愛」という二つの愛に集約することができるのです。これは、スクールモットー(「神を畏れ、隣人を愛する」)とも一致します。
みなさんは、これから、キャンパス生活の様々な時と場において、「愛のある知性」という言葉を見聞きすることになるでしょう。「愛のある知性」を大学の仲間と分かち合っていく時、私たちは、不安に満ちた現代という時代を、しっかりと生き抜いていくことができるはずです。みなさんは一人ではありません。自信と希望を持って、一緒に前進してゆきたいと思います。
私の式辞を結ぶにあたり、新入生のみなさんには次の3つことを心がけていただきたいと思います。
1. 宮城学院女子大学でしっかりと勉強してください。学問的・科学的な知恵や知識を軽んじることなく熱心に勉学に励み、 一日一日マイペースでも、しかし着実に学びを進めてください。
2. ぜひ、一日一回、聖書を手に取って読んでください。
「主(神)を畏れることは知恵の初め」とは、旧約聖書の「箴言」の有名な一節(9章10節)ですが、聖書を通して神の言葉に触れることは、みなさんが個性を磨く上で良き導きとなるでしょう。聖書の言葉は、みなさんのこれからの人生の宝となるはずです。
3. 毎週、月曜、水曜、金曜日のお昼に行われる大学礼拝にぜひ出席ください。レポートがあってもなくても、出席していただきたいと思います。 必ずや、皆さん一人ひとりを導いてくれる言葉やメッセージと出会うことができるでしょう。
保護者の皆様、本日は、お子様方と一緒にこの宮城学院の入学式へと足を運んでくださり、本当にありがとうございます。このようにして、ご一緒に、お子様方の入学式をお祝いできますことを心から感謝するものです。
新入生のみなさん、本日は、ご入学、本当におめでとうございます。
これをもって私の式辞とさせていただきます。
2026年4月4日
宮城学院女子大学 学長 芦名定道
