芦名定道学長 就任式挨拶

5月22日(金)、芦名定道学長の就任式が宮城学院礼拝堂にて開催されました。
以下「学長就任の言葉」を掲載いたします。

学長就任の言葉

本日は、私のためにこのように盛大な学長就任式を執り行っていただき、また多くの方々のご列席を賜りましたことを心より感謝いたします。宮城学院創立140周年を迎えるこの記念の年に、学長に就任できたことを光栄に思いますと共に、その責任に身の引き締まる思いです。

4月に学長としての仕事に就いて以来、2ヶ月近くが経過しました。大学改革のこととの関連で、学長として心がけたいこと、学長として何を目指すのかについて、現時点での考えを述べることによって、就任の言葉といたします。
現在、日本の多くの大学においては、改革を推進することが最大の課題となっています。その背景には、18歳人口の減少による大学淘汰の時代の到来という現状認識が存在します。例えば、1ヶ月あまりまえに公開された財務省審議会の議論では、2040年までに624校の大学のうち、250校あまりが削減される必要があるとされています。こうした認識から、宮城学院女子大学においてもこの5年ほどの間、学部学科の改組改革は緊急の継続的な課題とされてきました。この認識は私もおおよそのところ共有するものですが、改革を進める際に、次の二つの基本方針を明確にする必要があると考えます。
まず、強調したいのは、宮城学院女子大学に与えられた使命に基づいて、大学改革の目標をはっきりと自覚することの必要性です。私の経験からしても、改革の議論は具体的あるいは技術的な分析や選択が中心となり、ともすれば、何のための改革なのかを忘れ、ともかく改革し続けるということになりかねません。宮城学院女子大学の場合は、建学の精神に示された理念から、その果たすべき使命を読み取り、大学改革の基本的方向性を決める必要があります。宮城学院女子大学の個性(=強み)は、キリスト教精神に立つ女子大学として東北では唯一と言ってもよい存在であるという点にあり、その使命は、建学の精神にあるように、「神を畏れ敬い、自由かつ謙虚に真理を探究し、隣人愛に立ってすべての人の人格を尊重し、人類の福祉と世界の平和に貢献する女性を育成すること」です。とすれば、宮城学院女子大学の大学改革はこの使命を実現することに資するものでなければならないはずです。人間の自由な真理探究と隣人愛にたった人格形成を通して、福祉と平和に貢献する女性をこの東北の地に育成するという目標のために、どんな改革が必要なのかを常に意識することが改革の前提であると考えます。
では改革はどのように進めたらよいのでしょうか。近年文科省などにより強調されていることですが、大学にはガバナンスの強化、特に学長の強い権限・指導力が求められています。改革は、現状を変えるという問題の性格上、学長のガバナンスに基づいてトップダウンで進めるということが基本になります。特に改革に時間的余裕がない場合、上からの改革断行は避けられないとも思われます。それだけに学長は大きな責任を負っているわけです。しかし他方、改革を具体的に進めるには、大学に集う教員や職員の方々の協力が不可欠であり、それを忘れると、トップダウンで号令をかけたとしても、改革は一歩も前に進まないといったことになりかねません。

以上より判断し、まず多くの方々の知恵と力を結集し、次にそれに明確な方向性を与える、これが学長の役割である、というのが私の考えです。結集された知恵に基づき明確に方向付けられた改革を、責任を持って強力に推し進める、これが学長のやるべきことであり、言い換えれば、大学のすべての教職員が改革という共通課題に積極的に参加できる環境を整えることが学長の最大の役割であるということです。
学長一人では、課せられた使命を果たすことはできません。知恵と力をお貸しください。それによって、宮城学院女子大学が直面する困難な状況を必ずや乗り越えて進みたいと思います。

以上の基本的な考え方を示すことによって、私の就任の言葉といたします。
どうぞ、よろしくお願いいたします。

2026年5月22日
宮城学院女子大学 学長 芦名定道