二日目は気仙沼を出発し、陸前高田へ。
まずは高田松原復興祈念公園へ。有名な松林はなくなり、たった一本残った松も海水につかったために生き残ることはできませんでした。現在立っている一本松は、特殊な加工で保存されたものです(枝の部分は新しく樹脂で作成されています)。
伝承館は内藤廣氏の設計で、軸線を意識した静謐な建物です。道の駅を合築していて、多くの人が訪れる場所に伝承施設をつくるという目的にうまくハマっているようです。
陸前高田市はその地形的な特徴から、市街地の津波被害は甚大で、かつての町並みは跡形もなくなっています。
新たな市街地は、2メートル以上嵩上げされた土地に作られました。
嵩上げされた場所には鎮魂の施設が同じく内藤廣氏の設計で完成していました。なくなった方の名前が周囲の石に刻まれています。
最後は釜石の鵜住居地区にきました。
ここは釜石の魂ともいえるラグビー場があることで有名です。ワールドカップラグビーでも使われました。かつてその場所には小学校があり、多くの児童が学んでいました。
津波で被災した小学校は巨大な階段をのぼった高台にあらたに再建されています。今回の最後の見学地です。
階段は津波からの避難を象徴的に表しているようにもみえます。
まずは鵜住居小学校の副校長と教育委員会の佐々木氏から解説。学校の特徴や小学生の学び、中学校と共存することのメリットなどをお聞きしました。
施設はオープンスクール形式で、大きな引き戸が教室や共用部分をさまざまな形で分けられるようになっています。また、いろいろな場所から海がみえることも大きな特徴でしょう。
これで2日間の見学実習は終わりました。東日本大震災のとき幼稚園生だった学生たちも、震災や復興を考える大人に成長しています。