2024年11月14日、15日に、「環境文化見学実習」の授業の一貫で、三陸沿岸の都市を訪れました。
東日本大震災の被害から復興をめざすそれらの市町は、それぞれ地域の地域にあった復興の道を模索しています。震災前の記憶、震災の記憶、これからのまちづくりなど多くを学びました。
一方で、三陸沿岸はその豊かな自然と美しい風景でも知られています。こうした地域の資産を活かしながらまちづくりに関わるひとびととも対話を重ねることができました。
楽しくまちを訪問し、深く学ぶこうした実習授業は大学の座学では学ぶことのできない貴重な機会です。
事前に訪問先を文献調査し、いざ出発。
ジャンボタクシーで三陸道を移動します。
まず向かったのは石巻南浜津波復興祈念公園です。広大なエリアには、震災の爪痕を伝える遺構や、かつての町並みを伝える区割りのあと、鎮魂のための祈りの場、復興事業などをつたえる津波伝承館などさまざまな施設があります。
写真は祈りの場です。風の強い日でリフレクティング・プールの水も波立っていました。遠くに見えるのは石巻の代表的な工場のひとつ、日本製紙です。
隣接する震災遺構旧門脇小学校では詳細な解説をききながら地震火災の被害で黒焦げになった校舎を見学しました。
ここにも被害を直接伝える遺構と、様々な角度から震災を考える展示をみることができます。
こちらは石巻市に建てられた仮設住宅を移築したものです。開成・南境地区の仮設団地は最大で1100世帯が暮らしていました。風除室や断熱補強など、建設後に付け加えられた設備もあります。
南三陸町では復興祈念公園を巡りました。こちらは有名な南三陸町防災庁舎です。この屋根のうえにも津波は押し寄せ、建物は鉄骨のフレームをのこすのみとなっています。
その後、南三陸ワイナリーを見学しました。
地域おこし協力隊として震災後に南三陸町に移り住んだ佐々木直彦氏によって立ち上げられたワイナリーは、すっかり地域に根づいていました。ワインの醸造過程を解説してくれたのはスタッフの吉島 有紀さんです。
このあとみんなおっかなびっくりワインを試飲しましたが、ノンアルのぶどうジュースのほうが人気でした。
この日は気仙沼で宿泊です。気仙沼ウマレル、ムカエルという防潮堤と一体となった施設を見学して夜がくれました。
きれいにライトアップされた施設はコンクリートの防潮堤に足をかけるように建っています。