青森見学研修旅行 2日目

青森見学研修旅行の2日目は「弘前」です。
朝から今回の見学のメインスポットである「弘前れんが倉庫美術館」を訪問。この美術館は明治から大正にかけて建設された近代産業遺産 吉野町煉瓦倉庫を改修し、2020年4月11日に開館しました。築100年という建物の存在感は圧倒的で、その姿を可能な限り残し、「記憶の継承」「風景の再生」がコンセプトです。
酒造工場としてスタートした倉庫はシードル製造、ニッカウィスキー弘前工場、政府備蓄米倉庫などとして利用されていましたが、20年ほど前から奈良美智氏の協力で美術品の展示が市民の手で行われるようになりました。その後、2015年に弘前市が取得、美術館建設の運びとなりました。

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改修設計は田根剛氏とNTTファシリティーズが担当し、耐震補強を壁の内部で行うことで、かつての姿を見事に留め、その存在感は金色のチタンの屋根とともに、みごとに蘇っています。

見学はれんが倉庫美術館の学芸統括 石川達紘氏の解説のあと、企画展「りんご前線」を見てきました。
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中はコールタールで塗られた建設当時の姿が露にされ、迫力満点です。

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実際の彫刻を制作する現場も展示の一部になっています。
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一昨年、学生が作成した前川國男氏設計の「木村産業研究所」の模型も展示されていました。

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出入り口には弘前出身の芸術家奈良美智氏の作品が訪れた人をひきつけます。

「お手!」
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研修旅行は一応ここで終了です。
せっかく青森にきたので、希望者は「青森」へ移動し青森県立美術館も見学してきました。青森県にはこの青森県立美術館、弘前れんが倉庫美術館、八戸市立美術館、さらに十和田現代美術館と4つの現代美術館があり、連携しながら地域を盛り上げようとしています。今回はそのうち3か所をめぐる旅でもありました。

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県立美術館では「あかし」と題して東日本大震災10年の企画をおこなっていました。
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地下に広がる大きなスペースはいままで見てきた2つの美術館とは違う圧力を感じます。

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ここでは大きな空間とアートが人に迫る強さがありますね。
今回はこれで全行程終了です。東北6県といってもそれぞれ個性のつよい都市や地域を抱えています。今後もその他の県を巡ってみたいですね。