自主活動プロジェクト「にこにこキッズプロジェクト」活動報告

にこにこキッズプロジェクトは2013年9月に発足し、東北学院大学と連携で、主に被災地の子ども達のための遊びをサポートする活動を行っています。また、プロジェクトの企画・運営・実施までの一連の流れを学生が全て担っています。発足当時は岩沼南児童館のみが主な活動場所でしたが、2014年度からは他団体とも関わりを持つことができ、「冒険あそび場」、「コヨット」の2つの活動が加わりました。 

*活動報告(岩沼南児童館)

国際文化学科3年 加藤明日香

  岩沼南児童館児童館での遊び支援は、主に放課後に集まってくる子ども達との遊びや、16時30分からの登録児童全体での遊びの企画を行っています。自由に遊ぶ際には、鬼ごっこやサッカー、バレーボール、折り紙などを一緒に行います。16時30分からの企画では、事前にゲーム(遊び)を参加者で企画し、当日は学生が主体となってゲームを進めます。また、長期休業中は積極的に児童館に訪問し、小さいながらもクリスマスイベントや工作イベントの企画も行うことが出来ました。

 私は、教師を目指していて、また子ども達と関わるボランティア活動に挑戦したいという思いから、このプロジェクトに参加しました。ほぼ発足当時から参加していたので、最近活動が活発になり様々な試みを実施できるようになり、とても嬉しく思います。特に児童館での活動に関しては、継続して訪問することによって、子ども達との関係を築くことができ、学生が訪問した際に子どもたちから名前を呼んでくれます。また、継続した訪問によって、私たち学生も子どもとの付き合い方やどんな子ども達がいるのかということを少しずつ理解してきました。そのため、企画の際は、どのような遊びが全員で楽しめるのか、どのように進めていくべきなのかということも見えてきたように思います。 

さらに、この活動を通して私自身の成長も感じています。このプロジェクトでは、企画・運営・実施を学生が全て行っているため、それぞれの学生が積極的に参加し意見していかなければ成り立たないプロジェクトです。私は最初の頃はあまり意見することができませんでしたが、ミーティングや活動を通して、自分がやりたいことを積極的に提案し、意見を言うことができるようになりました。また、その提案を実行に移し、成功出来たことは自信につながりました。その例が工作イベントです。

工作イベントは、私が関わっている他のボランティア活動での経験を児童館でも生かしたいと思い、児童館の職員さんと話したことがきっかけでした。もちろん反省点はありますが、イベントの宣伝や子ども達ができること・できないことを考慮した準備や実際の活動などによって、物事を企画・実行する力がつきました。また、工作活動は活動目標の1つである「学びのきっかけ」作りになるということにも気づきました。

2015年度は、長期休業中の企画にも力を入れて、他大学と協力しながら、子ども達との関係性を深め、「学びのきっかけ」作りに繋がるような遊びのサポートを継続して行っていきたいと思います。

*活動報告(冒険あそび場)

生活文化デザイン学科3年 箱石夏生 

冒険あそび場とは、主に岩沼にある仮設住宅の近くの公園でNPO法人冒険あそび場せんだい・みやぎネットワークの方々と一緒に子どもたちとふれあい、サポートをする活動です。ここでの活動は子どもたちにのびのびと遊ばせることを基本理念としているため、「~をしてはいけない」というルールは特にありません。子どもたちにあそび場にある様々な道具だけでなく、木や草、水、土など、ありとあらゆるものを使った遊びを自由に挑戦できる場を提供しています。

 私は子どもが好きでこのボランティアへの参加を決意したため、将来直接子どもと関わる職に就くわけではなく、最初、子どもへの注意は苦手でした。しかしこの冒険あそび場では難しいルールがないため、子どもたちの無限大の探究心からさまざまな遊びが展開され、日々新たな発見があり、子どもたちと一緒に学ぶことができました。なにより、好奇心でいきいきとした子どもの表情を見ると幸せな気持ちになりました。危ないことを危ないと知らずに成長していくことは恐ろしいことです。遊ぶ環境が制限されていないこの冒険あそび場は、「やりたい」と思ったことに身をもって体験できる貴重な活動であると思います。このいわば、「生きる力」を育む場所である冒険あそび場で私自身もこれからも学んでいきたいと思います。

*活動報告(コヨット)

同上

 コヨットとは、宮城生協と福島生協が共同で行っているプロジェクトの一環であり、原発事故の影響により、満足に外で遊ぶことができない子どもたちとその親御さんを蔵王の遠刈田温泉に招き、子どもたちには外で遊ぶ機会を、親御さんには子育てから離れ、のんびり過ごす時間を提供しています。また、一時間程度、自分たち学生が企画した遊びをする時間が設けられています。

この活動では、子どもたち同士も初対面であるので、上手に打ち解けられるようサポートを心がけました。初めはぎこちなかったものの遊びを通じて次第に距離が近くなっていくのを実感した時、とても嬉しく思いました。企画の時間では、学生が計画した遊びを実行していますが、そこで学んだことがいくつかありました。それは事前の計画を、参加した学生メンバー全員が理解しているとサポートに入りやすいということです。また、時に臨機応変な対応を求められます。起こり得るすべてのことを想定しますが、対策できることには限りがあるので、活動を通して見えてきた課題や反省点、良かった点を活動報告書で共有し、次につなげられるようにしました。幼児から小学校高学年までの幅広い年齢の子どもたちにより楽しんでもらえる企画を目指して、引き続き活動を深めて行きたいと思います。